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「無罪確定」なのに戻らない運転免許、提訴の女性「理不尽な制度変えたい」

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 人身事故を起こしたとして運転免許が取り消された後、刑事裁判で無罪が確定したのに免許が戻ってこないのはおかしい――。福岡市の女性(42)が県を相手にこんな訴訟を起こし、福岡地裁で争っている。免許取り消しも判決も警察の捜査情報などを基に判断されるが、行政処分と刑事処分は別の手続きであることが原因だ。女性は「訴訟を通じて理不尽な制度を変えたい」と訴える。(河津佑哉)

 女性はシングルマザーで、トラック運転手として高校生ら息子2人を養っていた。だが、2017年2月、福岡市で原付きバイクと衝突し、バイクの少年が重傷を負った。県公安委員会は同12月、県警の捜査情報などから女性の過失で事故が起きたと判断し、免許を取り消した。女性は働けなくなって収入がなくなり、市営住宅の家賃が払えずに退去。就職活動をしても免許がないことを知られると採用されず、アルバイト生活を余儀なくされたという。

 一方、福岡地検は18年5月、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致傷)で女性を在宅起訴。福岡地裁は昨年5月、バイクの不適切な運転が原因だった可能性があるとして無罪を言い渡し、地検が控訴せず、確定した。「行政処分の根拠となった捜査が否定されたのだから、免許を返してもらえるはず」と、女性は県公安委に取り消しの撤回を請求。だが「処分に明白な瑕疵かしはない」と拒否された。

 刑事処分と行政処分は、同じ捜査情報を基にしたとしても、独立した別の手続き。無罪が確定しても行政処分の効力は維持され、無効にするには訴訟を起こして勝訴しなければならない。

 女性は昨年7月に提訴。だが、県側は「刑事処分と行政処分は別で、事実認定が異なることはままある」とし、「裁判所の判断は、到底受け入れがたい」と無罪判決を批判。改めて女性に過失があったと主張している。

 女性は「警察や公安委が刑事裁判を無視していいのか」と訴え、弁護団と同7月、「無罪のあと、ちゃんとしよう!プロジェクト」も開始。無罪になれば、免許取り消し処分を自動的に見直す行政手続きの運用など、制度改善を求めている。

 同様の訴訟では、東京高裁が18年9月、道交法違反(酒気帯び運転)で無罪が確定した男性が起こした訴訟で、免許取り消し処分を取り消した。一方、死亡事故を起こしたとして業務上過失致死罪に問われ、無罪が確定した男性は08年11月、水戸地裁で敗訴。「訴えを起こす期間が過ぎている」として訴えを却下された。

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