TikTokで13歳未満に広がる性被害…「会ってくれないと家の前で死ぬ」と女児脅し呼び出し
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若者に人気の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」が悪用され、子供が性被害に遭う事件が相次いでいる。規約で利用が禁止されている13歳未満が、保護者の知らないうちに他人とメッセージをやりとりし、事件に巻き込まれるケースが目立つ。
動画ほめられ、DMでやりとり
「ティックトックで、小さい女の子を探していた」 小学5年の女児(10)を車で連れ去るなどしたとして、強制わいせつ容疑で昨年9月に逮捕された東京都府中市の派遣社員の男(34)(公判中)は警視庁の調べに、こう供述した。別の小学生への強制性交罪で有罪判決を受け、執行猶予中だった。

捜査関係者によると、男は女児の動画を閲覧した後、動画をほめるダイレクトメッセージ(DM)を送信。女児は、相手のアイコンがパンダで愛らしかったため返信した。
ティックトックは規約で13歳未満の利用を禁じているが、女児は自宅のタブレット端末で、母親名義のアカウントを使って楽しんでいた。母親は娘が利用していることは知っていたが、他人とやり取りしているとは思わなかった。
男は「会いたい」と繰り返しDMを送信。女児は断り切れずに複数回面会した後、意を決して拒否すると、男は「会ってくれないと家の前で死ぬ」と脅して呼び出し、ホテルに連れ込んでわいせつ行為をしたという。
スタンププレゼントの見返りに下着画像要求
ティックトックは中国のIT企業「バイトダンス」が運営し、2017年5月に国内でサービスを開始。総務省が昨年1月、男女1500人(13~69歳)に行ったSNSに関する調査では12・5%(187人)が利用し、このうち10歳代がほぼ半数だった。
熊本県警は19年1月、ティックトックで知り合った熊本、神奈川、埼玉県の小中学生(10~13歳)に裸の動画を送らせたなどとして、自衛官の男(23)を児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)容疑などで逮捕した。
男は、動画を投稿していた女児らに対し、「LINE(ライン)」で使うスタンプをプレゼントすると言ってDMを送り、見返りとして下着姿の画像を要求。女児らが応じると、「画像を拡散する」などと脅して、裸の動画を求めていた。
同2月には、女の子になりすまして小6の女児(12)に連絡し、裸の写真を送らせた小学校教諭の男(31)を奈良県警が同容疑で逮捕。昨年11月には、中1の男子生徒(12)を呼び出して乱暴した千葉県松戸市立小講師の男(29)を警視庁が強制性交容疑で逮捕した。
SNSで児童が巻き込まれる犯罪、過去最悪
警察庁によると、19年の1年間にSNSをきっかけに犯罪に巻き込まれた18歳未満の児童は、10年以降で最悪の2082人。ツイッターが807人(38%)、「ひま部」が307人(14%)、インスタグラムが120人(5%)で、被害の大半は性犯罪だった。