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1935年式ベンツはしご車、走る日近い…購入時は国産トラックの40倍近い価格

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名古屋市消防局が所有する国内最古級のはしご車(市提供)
名古屋市消防局が所有する国内最古級のはしご車(市提供)

 名古屋市消防局が所有し、国内最古級とみられるはしご車の大規模な修復作業が行われている。全工程の8~9割まで進んでおり、年内の試験走行を目指している。

 はしご車は、独メルセデス・ベンツの1935年式で、名古屋市が初めて導入した車両。はしごの全長は30メートルで、68年まで現役で消火作業に活躍し、その後は消防学校で訓練用に使われていた。

 市消防局によると、導入のきっかけは、32年に起きた東京・日本橋の白木屋デパートで発生した火災だ。はしご車が出動したものの、水は高層階にまでは届かず、4階以上が全焼した。これを受け、高層階まで届くはしご車が求められ、県と市が1万5000円ずつを用意し、残りは寄付でまかなって、7万5000円で購入した。国産トラックが約2000円の時代で、40倍近い高価格だった。

 はしご車は現在、中日本自動車短期大学(岐阜県坂祝町)に預けられており、車の整備を学ぶ学生たちの卒業製作として、2016年から往時の車両そのままに修復されている。

 当初は1年ほどで自走できる見通しだったが、ラジエーターから水漏れが起きたり、交換用の部品が古すぎて代替品がなかったりとトラブルが多発。特に、クラッチをつなぐクラッチレリーズのカーボン製部分の破損が激しく、なるべく当時のものに近づけた部品を新たに作り直すなど修復は難航した。また新型コロナウイルスの影響で昨春は2か月休校となり、人員の確保にも苦労したという。

 それでも、制動装置は90%、動力伝達装置は80%、電気装置も85%まで修復が進み、エンジンの作動試験もクリア。同短大は「今年中には仕上げたい」としており、まずは試験走行を目指す。

 市消防局施設課の平田達消防司令は、「訓練用に使用して以来、約30年ぶりの走行となるので、予想外のトラブルが起きる可能性もある」としつつも、「修復が完了したら、防火啓発のイベントなどに役立てたい」と期待を寄せている。

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1824302 0 社会 2021/02/06 17:37:00 2021/02/07 00:09:47 2021/02/07 00:09:47 現存する最古のはしご車(市提供) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/02/20210204-OYT1I50086-T.jpg?type=thumbnail

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