睡眠剤混入の小林化工、116日間の業務停止命令…小林社長は引責辞任の意向
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製薬会社「小林化工」(福井県あわら市)の爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤成分が混入した問題で、福井県は9日、医薬品医療機器法に基づき、116日間の業務停止命令を出した。同法に基づく業務停止命令としては過去最長で、県は7割超の製品で虚偽の製造記録が作成されるなどの法令違反があり、経営陣が黙認していたと認定した。
混入があったのは、同社が昨年9~12月に約9万錠を出荷したジェネリック医薬品(後発薬)「イトラコナゾール錠50『MEEK』」。医師の処方を受け、服用した324人のうち27都道府県の239人が健康被害を訴え、2人が死亡。22人が意識を失うなどして交通事故を起こした。
県などによると、この薬について、厚生労働省が承認していない工程が記された「裏手順書」が存在。2人で行うべき作業を1人で行い、原料を継ぎ足す際、誤って睡眠導入剤成分を混入させていた。県の立ち入り調査に備えて虚偽の製造記録を記した帳簿(二重帳簿)をつくり、一部で品質試験結果を
ほかの薬でも、同様の裏手順書や二重帳簿が遅くとも2005年から存在。同社の製品のうち、二重帳簿は7割超で、承認外の工程で製造されたものも3割超あった。いずれも経営陣や現場責任者は把握しながら黙認していたという。
県は過去の立ち入り調査で虚偽の記録を示され、不正を見抜けなかった。県は9日の記者会見で「会社ぐるみで法令違反が長く続けられてきた」と指摘した。
本社で同日、記者会見した小林社長は、法令違反を自身も認識していたことを明らかにした上で、「健康被害などを招いた責任は極めて大きい」と謝罪。同社は弁護士らでつくる調査委員会で混入の経緯を調べており、3月までに結果を公表する。
厚労省によると、医薬品医療機器法に基づく業務停止命令は、2016年に熊本市の「化学