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【独自】高齢化進む公営住宅、災害リスク点検を…避難訓練や情報共有も

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 入居者の高齢化が進む公営住宅の防災対策を巡り、国土交通省が、全国の自治体に対し、管理する公営住宅について、洪水浸水想定区域など災害リスクのある地域に立地しているかどうかの点検や安全対策の実施を求める通知を出していたことが分かった。点検結果と実施状況について、年内をめどに国交省への報告を求めており、対策の実態把握を進める。(今村知寛、沢井友宏)

国土交通省
国土交通省

 公営住宅は、住宅困窮者に供給するため、自治体が整備しており、入居者の54・6%(2017年度)が65歳以上と高齢化が進んでいる。読売新聞が昨年末、都道府県など131自治体に行った調査では、洪水浸水想定区域内に公営住宅がある自治体で水害対策に着手しているのは4割にとどまっていた。

 通知は8日付。通知では、「近年、災害が激甚化・頻発化している」と指摘。公営住宅の性質として、「住宅セーフティーネットの中心的な役割を担っている」とし、入居者の高齢化も踏まえ、安全対策の充実が求められるとした。

 その上で、公営住宅が洪水や土砂災害など災害リスクがある地域に立地しているかどうかを確認するよう要請。危険性がある場合は、高齢者など災害時に配慮が必要な入居者の状況や、避難訓練といった対策の実施状況を確認し、年内をめどに報告するよう求めた。

 具体的な対策についても例示。ソフト面では、▽ハザードマップや避難場所の説明会▽定期的な避難訓練の実施▽災害時に配慮が必要な入居者の情報共有――などを示した。また、水防法で、浸水想定区域内にある高齢者施設などは避難確保計画の作成や避難訓練の実施が義務付けられていることを挙げ、こうした対策に準じた取り組みも有効とした。ハード面では、防水扉の設置や建て替え時の移転など、国の補助を活用して安全性を確保するよう要請した。

 国交省の担当者は「居住者の安全確保をはかれるよう促したい」としている。

地域と連携して防災意識高めて

 山梨大の秦康範・准教授(地域防災)の話「自治体の多くは住宅を供給することだけを念頭に置いてきたのが実情だ。通知は、住宅の管理者である自治体に、高齢化が進む実態に即して対策を取るよう踏み込んで促しており、評価できる。ソフト面の対策では地域と連携することも多く、周辺住民の防災意識を高めることにもつながる。自治体は積極的に取り組む必要がある」

浸水域の建物廃止も 長崎県

 相次ぐ災害を教訓に、自治体も対策に乗り出し始めた。

 長崎県は、本紙調査をきっかけに、県内の洪水浸水想定区域内などに立地する県営住宅の状況を把握した。新年度、公営住宅の今後の活用計画を見直す予定にしており、災害リスクのある地域に立つ公営住宅は、将来的に廃止することを盛り込む方向で検討している。

 昨年7月の九州豪雨の被災地で、市営住宅が浸水被害を受けた福岡県久留米市では、新年度から市営住宅の管理人に対して、災害時の避難場所や避難訓練の重要性を周知することを決めた。全ての村営住宅が床上浸水し、解体を決めた熊本県球磨村の担当者は「球磨村では災害リスクのない場所は少ない」とした上で、「避難訓練など、できる対策を実施していくしかない」と話した。

 一方、九州豪雨で浸水被害を受けた熊本県人吉市の市営住宅に住んでいた森鎮雄さん(86)は「あれほど浸水する場所とは知らなかった。危険性の説明は必要だ。自治体が建てる住宅は今後、安全な場所に作ってほしい」と要望した。

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1835611 0 社会 2021/02/11 05:00:00 2021/02/11 10:45:48 2021/02/11 10:45:48 国土交通省、観光庁、海上保安庁。東京都千代田区霞が関で。2020年11月1日撮影。 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/02/20210211-OYT1I50025-T.jpg?type=thumbnail

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