水族館のイルカ、2年間で4頭死ぬ…検証委「プールに気温や防風の観点不足」
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新潟県上越市立水族博物館(愛称・うみがたり)でイルカ4頭が相次いで死んだ原因に、飼育プールの設備が不十分だった可能性などを挙げた検証委員会が11日、記者会見を開き、設計や建設の段階で、市側に気温や防風の観点が不足していたと指摘した。検証委は「飼育されているイルカのためにも、できることはどんどんやるべきだ」として、市教委や同館に早期改修などの対応を求めた。
同館は開館当初、イルカ6頭を飼育していたが、約2年間で4頭が死んだ。市教委が設置した検証委が同館の設備などを調査したところ、上越市の平均気温はイルカ搬入元の横浜市より、夏は約1度高いが冬は約3度低く寒暖の差が大きいほか、冬は風も強くなることが判明。一方、水温は一年中、約21度に保たれていた。報告書では、プールに防風壁がないなどの理由で、イルカが呼吸時などに気温の変化に適応できなかった可能性があるとされた。
この日は、検証委の吉岡基委員長(三重大教授)と鈴木美和副委員長(日大教授)がオンラインで記者会見。気象条件は建設前に予見できたのでは、との質問に吉岡委員長は「一定の検討はされていた」と述べた。ただ、鈴木副委員長は「水温には着目していたが、気温や防風の観点は足りなかった」と指摘した。