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トラウデン直美さん「行動変容は自分のため」…自炊増えて「食」に関心[コロナ #伝えたい]

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 2度目の緊急事態宣言が発令されている。私たちが一刻も早く、コロナを乗り越えるには――。そのためにいま「#伝えたい」ことを、感染の経験や独自の視点を持つ著名人に聞いた。

――新型コロナウイルスの流行が続くこの1年、若い世代にとって「人生に一度きり」の行事が相次いで中止されました。例えば今年1月の成人式です。

トラウデン直美さん(モデル・タレント、21歳)
トラウデン直美さん(モデル・タレント、21歳)

 私自身は去年、京都市の成人式に出席しました。20歳を過ぎてもまだまだ子供だと、自分でも感じます。それでも、成人式は、社会の一員に加わる自覚、気持ちを切り替えるための節目の儀式だと思っています。

 家族・親族への恩返し、決意表明という気持ちを込めて、叔母の振り袖を着ました。成人式を機に母や祖母の振り袖を受け継ぐ人も増えているようです。

 今年、同じような思いを込めて参加しようとしたのに、成人式が中止になった人も少なくないと思います。とても残念だし、物足りなさ、無念さ、大切な何かが一つ欠けてしまったような感覚を抱いてもおかしくありません。

――そうした中、コロナ禍で顕在化した問題の一つに、若年層と中高年の「世代間対立」があると言われます。

 世代間での分断、対立は、本当にもったいないと思います。

 「若い人がコロナを広げた」などと若い世代に責任を負わせる言い方をする中高年がいれば、それに対して若年層は、「もう十分我慢して自粛してきたし、おじ様方だって居酒屋で結構飲んでいたじゃない」と反発する。たしかに成人式以外にも、学校生活、アルバイトなど、若者へのしわ寄せは目立ちます。

 逆に、私も含めて若い世代に関心を持っている人が多い環境問題やSDGs(持続可能な開発目標)については、「上の世代が動かない」と怒る若者もいます。

 でも、コロナ禍も環境問題も、協力して前に進むしか道はありません。長く生きてきた世代の知識や知恵と、若い世代の意欲、行動力を合わせれば、必ずプラスに働きます。互いを排除するのは、本当にもったいない。年齢に関係なく尊重し合って、オープンマインド、柔軟な思考を大切にしたいです。

――柔軟に考えることで、できることが増えると。

 はい。実は、13歳からお世話になっていたヘアスタイリストさんが昨年春、「農業をやりたい」と言って、コロナを機に家族で京都へ移住しました。鈴木サダムさんという方です。

 その時にサダムさんが言った「今だと思った時に『やっちゃえ』と飛び込んだ方がいい。『いつかいつか』と思っていても仕方ないから」という言葉にも、やっぱり柔軟さを感じました。

 「こうじゃなきゃダメ」と決めてしまうと、何かあった時に融通が利かなくなりますが、「これがダメならああしよう」と楽しい方向を探していけば、乗り越えられることも増えてくると思っています。今は特に、それが求められていると思います。

 個人的には、オンライン活用の良さも実感できたし、友達とのご飯が減ったのはさみしいけど、自炊が増えて肌の調子が格段によくなりました。手洗い、マスク着用に加えて、よく寝て、よく食べ、健康でいることを意識したところ、体調もすごく良くなっています。そういう変化のポジティブ(前向き)な側面に注目するようにしています。

――そういう考え方は、環境問題やSDGsでも通じるものがありますか。

 例えばSDGsでも、政府や企業がこの項目を目標達成しようとすれば、他の項目が犠牲になることも時にはあり、100%の達成は難しい。でも、「100じゃなきゃダメ」ではないし、それは「100できないならゼロでいい」につながってしまう。

 まずは1でもいい。「1人の100歩より、100人の1歩」から始めようと柔軟に考えて、自分自身もメッセージを発信していけたらと思っています。

――環境問題での発信では、昨年12月、首相官邸で開催された環境に関するフォーラムでの発言がSNSなどで強く批判されました。

「2050年カーボンニュートラル・全国フォーラム」に出席し、菅首相(左)の発言を聞くトラウデン直美さん(2020年12月17日、首相官邸で)
「2050年カーボンニュートラル・全国フォーラム」に出席し、菅首相(左)の発言を聞くトラウデン直美さん(2020年12月17日、首相官邸で)

 (注=トラウデンさんは環境問題対策の「すぐに始められる私の一歩」の一例として、「お店の人に聞く。『この商品は環境に配慮していますか』と一言聞くだけで、お店の人は『あ、そうか、お客さまは環境に配慮したものを求めているんだ』という意識につながると思います」と紹介したことが「店員に迷惑」などと批判された)

 あれはテレビニュースでの切り取られ方の問題でもあったと思いますが、私の言い方、言葉のチョイスも、もしかしたらよくなかったかもしれません。もっと別の伝え方があったんじゃないか、と反省しています。

 でも誰でも失敗ぐらいします。メッセージの発信の仕方を考え直して、別の場所でまた新しい発信をすればいいと思っています。批判されてしまったこと自体は、まったく気にしていません。

 環境問題を「意識高い系」の話と受け取られないよう、もっと普通に、日常の中で話せるようになったらと考えています。

――「どうしたら適切にメッセージが伝わるか」は、このインタビュー連載のテーマでもあります。

 コロナも環境問題も、行動変容が大切なのに、それを促すメッセージが届きにくくなっていると言われています。

 もちろん重症化リスクのある高齢者や基礎疾患のある方々を守りたい、最前線で頑張ってくださる医療従事者の方々を守りたい。それは私を含めて多くの人の根底にあります。けれど、そこを前面に出してメッセージとして強調すると、人によっては、どうしても「他人ごと」に聞こえてしまうかもしれません。

 行動変容は、たぶん結局は自分のためにするんです。「自分のためにしたことが、結果的に社会のためにもなっている」という感覚ぐらいでいるのがちょうどいいのではないでしょうか。それが「他人ごとから自分ごとへ」という言葉の意味でもあると思います。

――モデルとしての撮影現場など、自身の仕事での変化はありましたか。

 今まではご飯をみんなで机を囲んで食べていたのに、それも時間をずらして個別にとる決まりになりました。さみしいですが、大事なことです。撮影自体も短時間になりましたし、4人以上が一緒に撮られるカットもなくなり、2人か1人が多いです。

――日常生活に変化はありますか。

 去年の春頃から散歩を始めました。ずっと家にこもっている中で、外に出たいなと思い、マスクをして。最近は寒いからランニングをしてみたり。すごく自分の頭の中を整理できるし、反対に何も考えない時間にもできます。自分を整えるという意味で大切な時間になっています。

 もう一つが、先ほども話した自炊です。常備しているハーブやスパイスは確実に増えました。人様に見せられるようなものじゃないので、インスタグラムに載せたりはしません(笑)。

 そこから「食」にさらに興味を持つようになりました。知人が千葉県で耕している畑にお邪魔して、お手伝いというか見学というか、土いじりをさせてもらっています。めちゃくちゃ太いゴボウや、すごく大きなケールも栽培していて。農作業にも、もっと関わっていきたいです。

 コロナ禍で自炊が増えたことによって体調が良くなり、自分が食べるもの、自分が手にしているものを把握するのは、すごく大事だなと改めて思いました。そういう細かいところで「丁寧に生きる」ことが今の私のテーマでもあります。(聞き手・森田啓文)

<略歴> とらうでん・なおみ 京都市出身。13歳からファッション誌「CanCam」の専属モデルや、タレント、報道・情報番組のコメンテーターなどとして活動。現在、慶応大法学部政治学科3年で、ゼミでは国際政治を学ぶ。母は東京、父はドイツの出身。

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1850471 0 社会 2021/02/18 05:00:00 2021/02/18 05:07:41 2021/02/18 05:07:41 読売中高生新聞用。慶応大に在学中の知性派モデルのトラウデン直美さん。東京都千代田区で。2020年8月2日撮影。◇1999年4月生まれ。ドイツ人の父と、日本人の母を持つ。13歳でファッション雑誌「CanCam」の専属モデルとしてデビュー。慶応大学法学部政治学科で国際政治を学ぶ3年生で、報道番組のコメンテーターやリポーターとしても活躍している。 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/02/20210212-OYT1I50026-T.jpg?type=thumbnail

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