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開高健の愛したスイセン「花が雪のなかでヒのようです」

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 神奈川県茅ヶ崎市東海岸南にある「開高健かいこうたけし記念館」の庭で、ベトナム戦争のルポなどで知られる作家、開高健(1930~89年)がこよなく愛したスイセン約1000株が、見頃を迎えている。

開高健がこよなく愛したスイセンを見守る森事務局長(21日、茅ヶ崎市東海岸南で)
開高健がこよなく愛したスイセンを見守る森事務局長(21日、茅ヶ崎市東海岸南で)

 同記念館は、1974年から開高が亡くなるまで活動の拠点にしていた邸宅で、2003年からゆかりの品々の展示とともに、スイセンが植えられている。この時、スイセンを届けたのが、開高が生前、定宿にしていた福井県越前町の旅館「こばせ」。祖父母が同県出身だった開高は、作品で福井の話を取り上げることも多かった。

 死と隣り合わせだったベトナム戦争の取材を終えた1965年冬、こばせに宿泊し、スイセンと出会ったときのことが、エッセー「寒い国の美少年」の中に、宿の先代の経営者との会話とともに描かれている。「冬の日本海岸は暗いけれど、花が雪のなかでヒのようです。ヒというのはファイアの火ではなくて、トモシビのです」と。

 同記念館では1月中旬頃から咲き始め、今月中旬から一気に開花した。周囲には優雅な香りが漂い、来館者を魅了している。

 こばせを数回訪ねたことがある同記念館運営の「開高健記念会」の森敬子事務局長は、「福井では冷たい季節風が吹きつける中、海に向かう崖でりんとして白い花が咲いていました。そのけなげさが戦争取材で疲れ切っていた開高の心をいやしてくれたのでしょう」と話す。今年は天候にも恵まれたせいか、花もいちだんと美しいといい、「咲きそろった花々に開高さんも喜んでいるはず」と目を細めた。

 こばせの経営者の長谷裕司さん(59)も「父は開高さんが亡くなったときにもスイセンを届けました。長く大切に育ててくれてありがたいし、こちらもうれしいですね」と話した。

 同記念館は金、土、日と祝日に開館している。

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1860242 0 社会 2021/02/22 15:44:00 2021/02/22 15:54:41 2021/02/22 15:54:41 開高健がこよなく愛したスイセンが見頃をむかえた(午後0時41分、茅ヶ崎市東海岸南の開高健記念館で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/02/20210221-OYT1I50054-T.jpg?type=thumbnail

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