語学研修の12人犠牲、富山の専門学校で黙とう…NZ地震10年
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日本人28人を含む185人が死亡したニュージーランド・クライストチャーチ地震から、22日で10年となった。語学研修中の学生12人が亡くなった富山市立富山外国語専門学校(富山市大手町)では「追悼の集い」が開かれ、遺族らが犠牲者の

発生時刻の午前8時51分(日本時間)に遺族や在校生ら約100人が黙とうをささげ、献花した。
長女のめぐみさん(当時19歳)を亡くした富山市の堀田和夫さん(66)は今年、新型コロナウイルスで入国が規制され、現地の追悼集会への出席を断念。式後、「10年前に戻される感覚になった。現地に行けなかったが、どこにいようとも娘を思い出し、つらく、悲しい」と話した。
「またどこかで会えないかな」娘が犠牲の男性

「10年たっても佳世のことを思わない日はない。誕生月でもある2月は毎年、心が重くなる」
語学研修中に6階建てのビルが倒壊して亡くなった富山県高岡市の金丸佳世さん(当時19歳)の父、直弘さん(62)は、涙を浮かべながら語った。
佳世さんは高校時代、プロバスケットボール・富山グラウジーズのダンスチームに所属。オーディションに合格し、自宅の部屋から飛び出してきて喜んでいた娘の姿が忘れられない。
車で練習場所や試合会場に送り届ける際に、よく将来の夢を語ってくれた。語学力を生かした仕事にあこがれており、「毎日晩酌する私に休肝日を作ってくれる孝行娘だった」。
昨年2月、訪日した現地のリアン・ダルジール市長と面会。市長は倒壊したビルの建築を許可したことを初めて謝罪した。「胸のつかえが取れた」という。
今年は夫婦で現地の追悼集会に出席するつもりだったが、新型コロナウイルスの影響であきらめた。富山市での追悼の集いに出席した後、「心がつながっているように感じて『また来たよ』と声をかけた。またどこかで会えないかな」とさみしそうに語った。