断水6日間、入院患者も非常食で我慢…「宮城病院」外来再開へ
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最大震度6強の地震の影響で、6日間断水が続いた宮城県山元町の国立病院機構「宮城病院」は、22日に外来診療を再開する予定だ。この間、職員が給水車との間を何度も往復、入院患者約260人に缶詰やレトルトの非常食で我慢してもらうなどして乗り切った。

13日深夜の揺れで、入院患者は無事だったが、天井のスプリンクラーの配管が壊れ、診察室やレントゲン室の電子カルテを記録する機器や血圧計などが水をかぶって使えなくなった。翌日から外来診療を休止した。
最も困ったのが断水だ。同町では一時、全世帯の6割にあたる2900世帯に及んだ。町の給水車が3~4時間おきに病院に来てくれたが、入院患者に提供する給食が作れなかった。水を節約するため、備蓄のレトルト食材などを盛る食器は、使い捨ての発泡スチロール製のものを使った。15日に雨が降ると、バケツ20個を玄関などに置き、トイレ用に雨水をためた。
入浴もできないため、湿らせたタオルで患者の体を拭き、急きょ購入したドライシャンプーを使うなどした。新型コロナウイルスの感染防止のため、家族との面会も禁止されていたところに、地震が起きた。小野恵看護師長(52)は「不安を抱え不眠などのストレス症状の出る患者さんもいた」と話す。9日ぶりの外来診療再開で、大坂雄二管理課長(51)は「地域の人たちに安心してもらえると思う」と語った。