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新型コロナウイルスによる鉄道利用客の激減で苦境に立つ駅弁業者が、新たな販路開拓に乗り出している。電車ではなく家庭や職場などで味わってもらおうと、幹線道路沿いに店を出したり、スーパー販売用に新商品を開発したり。自宅などで過ごす「巣ごもり生活」での需要拡大に期待を寄せる。(米山理紗、安田信介)
売り上げ6割減

横浜市港北区の道路沿いにある「崎陽軒 菊名店」。3日昼過ぎ、店内で会社員や主婦らが、名物の「シウマイ弁当」などを買い求めていた。
菊名店は昨年9月にオープン。崎陽軒(横浜市)の主力である駅売りと違って、車で買いに来る客をターゲットにし、広い駐車場を備える。「横浜チャーハン」などを買った会社員男性(25)(横浜市)は「車で通りかかって思わず入った。買いやすくなって、良かった」と話した。
崎陽軒は、東京駅や新横浜駅などで1日に約4万2000個を売り上げていたが、感染拡大後に出張や旅行などが激減した影響で、売り上げは6割ほど減少した。
一方、三つの路面店の売り上げは増えており、駅の外での販売を強化することを決定。昨年9月以降、横浜市や東京都内などの幹線道路沿いに菊名店も含めて新たに5店舗を出店した。
また、家庭向けに温めて食べられるよう具材を替えた新商品を開発し、新たに弁当の通販を開始し、小口の宅配サービスのエリアを拡大した。同社広報・マーケティング部の西村浩明課長は「まだ厳しいが、売り上げは回復してきている。新たな顧客層を開拓し、ピンチをチャンスに変えていきたい」と意気込む。