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「なぜ佐賀で」「誰が指示」「費用負担は」…前代未聞の事件、ナゾ多きリコール署名偽造

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 大村秀章・愛知県知事のリコール(解職請求)運動で不正が疑われる無効な署名が大量に見つかった問題は、県警が強制捜査に乗り出し、市区町村の選挙管理委員会を捜索する事態に発展した。偽造などを含め、全体の8割超が不正だったとされる署名は、誰が、どのようにして集めたのか。民主主義の根幹を揺るがす前代未聞の事件の全容解明に向け、県警が捜査を進めている。(隅谷真、糸井裕哉)

43万5000人分 全て押収

 署名の不正疑惑は昨年12月、運動を率いた請求代表者らの一部の“告発”によって表面化した。集まった署名の中に、筆跡や指印が酷似するなど、同じ人物が複数人の分を書き、指印を押したと思われるものが多数あるというのだ。

 読売新聞が選管に提出されなかった署名簿を入手し、それをもとに取材したところ、「書いていない」という人やすでに死亡した人の署名が多数見つかった。その後も「勝手に名前を使われた」などの情報が各地の選管に寄せられた。

 県選管が各市区町村選管を通じて全署名簿を調査した結果、同じ人物が複数書いたとみられるものや選挙人名簿に登録されていない人のものなど、全体の8割超が「不正の疑いあり」とされた。関係者によると、少なくとも8000人分は、すでに死亡していた人のものだったという。

 署名は本来、法定数に達しなければ、手続き上の「審査」は行われない。県選管が今回、手続きにない異例の調査に踏み切ったのは、民意の反映である署名で不正があれば、制度の適正な運用に重大な影響を及ぼすと判断したためだ。

 事態を重くみた県選管は2月15日、容疑者不詳のまま、地方自治法違反容疑で県警に刑事告発。県選管の加藤茂委員長は「民主主義の根幹を揺るがすもので、看過できない」とのコメントを発表した。

 同月下旬には県警が強制捜査に着手。3日間かけて64市区町村選管を捜索し、仮提出されていた計約43万5000人分の署名簿を全て押収した。

 県警は、署名簿の分析などを急ぐとともに、関係者からの事情聴取を進めるなど、全容解明に向けた捜査を本格化させている。

佐賀で書き写し作業

■「とにかく急いで」

 アルバイトを使って組織的に大量の署名を偽造していた可能性も出ている。

 「署名を書き写すアルバイトに参加した」。福岡県の男性が読売新聞の取材にこう打ち明けたのは、2月中旬のことだ。

 男性によると、佐賀市内で昨年10月、約10日間にわたって貸会議室に多数のアルバイトが集められ、別の名簿から署名簿に氏名などを書き写す作業が行われた。関係者への取材で、署名活動団体の幹部が名古屋市内の広告関連会社に、書き写す人を集めるよう依頼したとみられている。

 男性によると、1日100人前後のアルバイトが作業に従事し、名古屋市内の会社から来たとする複数のスタッフが、署名簿に書き写す人数や日付などを細かく指示していたという。

 この作業は署名収集期間が終わった後も続けられ、スタッフが「とにかく急いで」と作業を急ぐよう促していた。署名提出の期限ぎりぎりまで、見かけの署名数を水増ししようとした意図がうかがえる。

 一方、現場では、氏名や住所、生年月日が記載された多数の市町村の住民リストが使われたというが、何をもとに作られたものなのかは不明だ。

 関係者によると、署名団体幹部が広告関連会社に人集めを依頼した際、幹部自身の署名と押印のほか、474万円余りの金額が記載された「発注書」を渡していた。だが、なぜ遠く離れた佐賀だったのかという点や、誰が指示したのか、さらに、費用を誰が負担したのかなどは、今のところ明らかになっていない。

 

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1890186 0 社会 2021/03/06 10:05:00 2021/03/06 12:26:30 2021/03/06 12:26:30 署名簿 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/03/20210306-OYT1I50028-T.jpg?type=thumbnail

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