現存する国内唯一の木造2等客車か、JR四国から再譲渡…観光資源として展示へ
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明治期に製造され、大正、昭和に土讃線を走った木造客車が高知県佐川町で展示されることになり、8日、建設中の展示施設に運び込まれた。廃車後に35年間町内で展示され、老朽化により旧国鉄に返還されたが、もう一度観光資源として活用したいと、JR四国に再譲渡を要望していた。


1906年に製造された木造2等客車「ロ481号」。全長8メートル、幅2・5メートル、重量7トンで、JR四国によると、現存する国内唯一の木造2等客車とみられる。33~68年に同町内で展示され、旧国鉄への返還後は香川県の多度津工場で保管されていた。78年に準鉄道記念物指定。
この日は朝から日本通運の専門チームがジャッキやワイヤなどを使い、約6時間かけて施設に搬入。作業を見守った同町のうなぎ専門店経営の男性(77)は「子どもの頃に中で遊んだ。緑色のカーペットが敷かれていて豪華だと感じた記憶がある。町の宝物として大切にしたい」と話していた。
展示施設は木造平屋の約150平方メートルで、町が旧青山文庫の隣に約7400万円かけて建設。観光案内所なども設置し、4月上旬にオープンする。