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鉄腕アトムの「ロボット市長」も間もなく?…自治体の仕事、AI導入次々

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[New門]は、旬のニュースを記者が解き明かすコーナーです。今回のテーマは「AI」。

 自治体の仕事に次々と人工知能(AI)が導入されている。業務の大幅な効率化につながる一方、「問題解決」を機械に委ねすぎることへの危うさも潜む。国民的漫画家が半世紀以上前に警告していたように――。

「どんなこともロボットがやってくれる」

 警察、学校、裁判所……。その街では、日常生活のあらゆる場面でAIを持つロボットが活躍し、市長までも務めている。「どんなこともロボットがやってくれる」。多くの人たちが、快適さを求めて移住してくる。

 漫画家の手塚治虫が1966年、アニメ「鉄腕アトム」の「ロボット市長」の回で描いた未来都市だ。放映から55年。少しずつその世界が現実になってきた。AI技術が飛躍的に進歩し、自治体の仕事に続々と取り入れられているのだ。

児童保護にも導入、「対応日数」や「虐待の深刻度」を予測

 大阪府は2019年度から庁内会議の会議録作成に導入した。難解な行政用語はもちろん、関西弁も正確に文字起こししてくれる。他の自治体でも会議録作成や窓口案内など、役所特有の業務で利用が広がる。背景にあるのが「働き方改革」だ。府の場合、職員が作成に費やす時間が約6割短縮されたという。

 三重県では20年度から、児童虐待が疑われる案件で、児童相談所が一時保護するか否かを判断する際に力を借りている。これまでは通報後、職員が問題の家庭を調査し聞き取り内容を持ち帰って対応を協議していた。

 今はタブレット端末に調査内容を入力すると、過去6年間の約6000件の対応を読み込んだAIが案件ごとに「対応にかかる日数」「虐待の再発率」「虐待の深刻度」を予測してグラフ化。それを基に職員らが判断しており、20時間以上かかる通報から保護完了までの時間が半減できたケースもあった。担当者は「判断の精度が高まったうえ、より迅速な対応が可能になった」と手応えを口にする。

 婚姻率が47都道府県で最低の秋田県は婚活支援に活用。価値観に関する質問に答えると、相性の良い異性を週1回ペースでAIが紹介してくれる。導入前は利用者がプロフィルを見て相手を選ぶ方式だったが、交際に発展する割合は倍増したという。

「深層学習」を武器に進化、でも妄信は禁物

 AIという言葉が初めて使われたのは1956年。米国で開かれた情報処理技術の専門家による「ダートマス会議」でのことだ。以来、何度か脚光を浴び、現在は第3次ブームの真っただ中とされる。過去のブームとの違いは「ディープラーニング(深層学習)」と呼ばれる武器を身につけたことだ。

 人間の脳神経を模したコンピューターが大量のデータを基に自ら学習、判断する。例えば、文字起こし。使われ続けるたびに誤変換や誤字が減っていく。

 だが、万能ではない。さいたま市は2019年度、保育所の入所選考で活用したが、事前に入力する入所者の希望条件を細かく設定しすぎたため、処理できなくなった。採用活動で米国の企業が利用しようとした際も女性というだけで評価が低くなり、導入を見送ったという海外メディアの報道もあった。

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