2人合わせて159歳、高校を卒業…口をそろえて「体育の授業はきつかった」

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 埼玉県草加市の83歳と76歳の男性2人が今月、越谷市の越ヶ谷高校定時制普通科を卒業。18日に同校で、2人合わせて計159歳の卒業記念撮影を行った。

友人女性をはさみ、4年間学んだ越ヶ谷高校正門前で卒業記念撮影をする野原さん(右)と上岡さん(左)(18日、越谷市で)
友人女性をはさみ、4年間学んだ越ヶ谷高校正門前で卒業記念撮影をする野原さん(右)と上岡さん(左)(18日、越谷市で)

 卒業したのは、上岡昇さん(83)と野原康宏さん(76)。上岡さんは東京都荒川区生まれで、終戦時は小学校2年生。「この年で高校卒業できた今があるのは、当時の給食のおかげ」と笑う。1953年に中学校を卒業すると、文京区の湯島天神近くの建設会社に住み込み、大工の修業をした。その後草加市に移り、一戸建てを受注する工務店を始めた。現在は長男に経営を譲っている。上岡さんは、「建築関係の国家試験は、中卒だと16年の実績が必要だった。高卒なら6年。大卒は2年ですよ」と、学歴で苦労した過去を振り返る。

 一方、野原さんは44年に富山県で生まれた。中学卒業後に草加市の洋服製造会社に就職し、勤め上げた。野原さんは「ずっと学歴コンプレックスがあり、高校に行きたかった」と話す。終戦後の混乱期で高校進学を断念するしかなかった2人が、4年前に同校への入学を決断し、くしくも同級生となった。

 同校定時制の普通科は、午後5時20分から9時まで授業を行う。上岡さんは「孫同然の世代の生徒と、席を並べての勉強や、バスを仕立てての遠足が楽しかった」と、楽しかった高校生活を振り返る。その一方で2人とも、「記憶力が衰えて、英単語のスペルや漢字が出てこなかった。それに、体育の授業で短距離と長距離を走らされることはきつかった」と口をそろえた。

 出席をとる際に、他の生徒は呼び捨てだったのに、2人を「さん」付けする先生もいた。上岡さんは「(自分が)先生のお袋さんと同い年だから、無理だって言うんだよ」と笑った。

 昨今のコロナ禍で、毎学期の皆勤賞4年分12枚をそろえることができなかった、という心残りもある。それでも「自分の孫と試験の話をするジイジはいないだろ。楽しい4年間だったよ」と満足そうに語った。

 卒業後の進路について、野原さんは「80歳までは、ボランティア活動などしながら、国内旅行をして過ごしたい」と話した。一方上岡さんは、大学を目指したものの、推薦に必要な学科平均点が数ポイント足りなかった。それでも「まだ諦めてないけどな」と力を込め、新たな挑戦への道筋を模索し続けるつもりだ。

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1923145 0 社会 2021/03/19 16:11:00 2021/03/19 18:33:38 2021/03/19 18:33:38 友人女性をはさみ4年間学んだ越ヶ谷高校正門前で https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/03/20210319-OYT1I50024-T.jpg?type=thumbnail

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