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無料通信アプリ「LINE」の利用者情報が業務委託先の中国企業から閲覧可能だった問題で、運営会社のLINEは23日、中国からの個人情報への接続を完全に遮断したと発表した。韓国のデータセンターで保管していた画像データなどの国内移転も今年9月までに進めるとした。

出沢剛社長は問題発覚後初めて東京都内で記者会見し、「ユーザーの信頼を裏切ったことを重く受け止めている」と陳謝した。
発表によると、中国では、システム開発などを委託した関連会社やメッセージの監視などを委託した企業など計5社で、日本のサーバーにある利用者の氏名や生年月日などの個人情報や、利用者から規約違反と通報があったメッセージが閲覧できた。LINEが手がける金融事業に関して、利用者の個人情報にアクセスできる状態だったことも新たに明らかにした。これまでに情報漏えいは確認されていないとしている。
LINEは中国からの接続を22日までに遮断し、関連業務も全て終了させた。
韓国のデータセンターでは、メッセージに添付された画像や動画のほか、スマートフォン向けの決済アプリ「LINE Pay(ラインペイ)」の利用者情報なども保管していた。いずれも厳格に管理しているとしたが、すべてを国内に移す方針を示した。
LINEの個人情報に関する指針では、外国に個人情報を移転することがあるなどと記載しているが、国名を明記していない点などが不十分だったとして、今月中にも指針を改訂する。
中国は2017年施行の国家情報法で、国の情報活動に企業や国民が協力するよう義務付けている。出沢社長は「中国で長く(システムなどを)開発しており、潮目の変化を見落としていた。ユーザーへの配慮が足りなかった」と釈明した。
親会社のZホールディングスが設置した第三者委員会の初会合も23日に開かれた。今回の問題などを検証し、結果を公表するとした。