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浸透しない「マスク会食」…店「注意しにくい」・自治体「うちわや扇子で代替を」

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 新型コロナウイルスの感染対策として国や自治体が呼びかけている「マスク会食」が浸透していない。「まん延防止等重点措置」の適用が5日から始まった大阪市では、市や大阪府が見回り隊を発足させるなどして徹底を求めているが、店や客側からは困惑の声が続出。兵庫県では「現実的ではない」として別の方策を呼びかけており、行政の対応も一枚岩ではない。(有留貴博、太田晶久)

「雰囲気壊せない」

 8日夜、大阪市北区の居酒屋ではマスクを外して会話するグループが目立った。だが、男性店主(50)は「楽しんでいる雰囲気を壊しかねず、注意しにくい。飲酒を伴う客に注意するとトラブルにもなりかねない」と、対応の難しさを打ち明けた。

 別の居酒屋でマスクを外して友人と飲んでいた客は取材に「(不着用を)注意するような店には行かない」と話した。

 マスク会食は、複数人で外食する場合、飲食時はマスクを外し、会話する際に着用することを指す。昨夏に神奈川県の黒岩祐治知事が提唱し、政府も昨秋から「静かなマスク会食」を呼びかけている。

 改正新型インフルエンザ対策特別措置法で新設された重点措置では、都道府県が適用地域の店側に、マスク会食や入店時のマスク着用を客に呼びかけることに加え、アクリル板の設置などの感染対策をとるよう要請。応じない店には、より強い命令を出し、従わなければ20万円以下の過料を科すことも可能となっている。

 大阪府と大阪市は5日、飲食店でこうした対策の実施をチェックする見回り隊を発足させ、市内全4万店舗の状況を確認する作業を進めている。

 しかし、飲食店側が抱える不安や疑問は大きい。

 府が2日、重点措置の適用を前に設置したコールセンターには8日までに約1690件の問い合わせがあり、マスク会食に関しては「着用は義務か、お願いか」「客がマスクをしていないと過料をとられるか」などの質問が多いという。

 法令上、都道府県による命令や過料は店側が対象で、客がマスクをしなくても、過料をとられることはない。店側に対しても、府は「営業中、ずっとチェックするのは難しい」としており、実際に過料を科すのはハードルが高いとみられる。

割れる見解

 さらに、自治体間でマスク会食の評価が分かれている点も、客や飲食店を混乱させる一因となっている。

 大阪府では、吉村洋文知事が実演する動画を2日から公開し、徹底を訴える。

 動画では、マスクの片方のひもを外す方法と、両方のひもをつけたままマスクをあごまで下げる方法を列挙。このうち、あごまで下げるやり方は、あごにウイルスが付着していることが考えられ、府は「片方外すのが面倒という人向けの次善の策」としている。

 ところが、大阪市と同じ重点措置が5日から始まった神戸市では、久元喜造市長が「マスクの取り外しで、(マスクに付着した)ウイルスが口の中に入る可能性があり、かえって危険」として、推奨しない考えを強調。神戸市を含む県内4市が重点措置の対象となっている兵庫県の井戸敏三知事も同様の立場で、会食時は口元をうちわや扇子で覆う代案を提唱し、9日には、これら4市の飲食店にうちわを1店舗約20本ずつ、計32万本配る方針を表明した=写真=。

「外食OK」危惧

 専門家の見方はどうか。

 近畿大の吉田耕一郎教授(感染症学)は「マスク会食は、やらないよりはやった方がいいが、口に食べ物を運ぶ時以外、全員がマスクを着用することは現実的でなく、徹底は難しいだろう」と指摘する。その上で「感染が急拡大している現在の状況では、行政は人の流れを止める呼びかけを強めるべきであって、『マスク会食なら外食に行っていい』という誤ったメッセージに取られるのは危険だ」と危惧した。

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1976058 0 社会 2021/04/10 15:00:00 2021/04/10 16:06:25 2021/04/10 16:06:25 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210410-OYT1I50051-T.jpg?type=thumbnail

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