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「北の木造船」漂流・漂着が激減…漁業権を譲渡、目立つ中国船の違法操業

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 北朝鮮からとみられる木造船の山形県内への漂流・漂着が、今冬は2件のみと激減したことが、海上保安庁への取材でわかった。酒田市や鶴岡市の日本海側で例年十数件確認されていたが、この冬は全国的にも確認件数が激減している。新型コロナウイルスの影響が指摘される一方で、海上では中国船の違法操業が目立っており、漁業関係者は警戒を強めている。

北朝鮮からとみられる木造船の一部(1月25日、酒田市浜中で)=酒田海上保安部提供
北朝鮮からとみられる木造船の一部(1月25日、酒田市浜中で)=酒田海上保安部提供

 1月25日、酒田市浜中の庄内空港誘導灯近くの砂浜で、木造船の船首船底とみられる木片が見つかった。船首からの長さは約4メートル、幅は最大で約2メートル50ある。過去に漂着した北朝鮮の船と同様に、コールタールの塗装がされていた。

 北朝鮮の漁船は、日本の排他的経済水域(EEZ)にある好漁場「大和やまとたい」周辺で、違法操業を行っていることが知られている。多くは小型の木造船で、荒天で難破すると、風が強まる冬季に日本海沿岸に流れ着く。

 海上保安庁では、2013年から漂流・漂着した北朝鮮のものとみられる木造船の統計を取っている。

 第2管区海上保安本部(宮城県塩釜市)によると、本県の日本海側では18年は12件、19年は11件、20年は9件が確認された。ただ、この冬は昨年12月と冒頭の今年1月の計2件しかなかった。

 海上保安庁によると、全国でも、20年10月から21年3月までの漂流・漂着の確認件数は13件と前年の141件から9割も減った。秋田県や青森県ではゼロだったという。

       ◇

 北朝鮮情勢に詳しい宮塚コリア研究所(甲府市)の宮塚利雄代表は「北朝鮮が新型コロナの感染を恐れ、出漁を禁止していることがある。また、外貨獲得のため中国に漁業権を譲渡した影響が大きい」と指摘する。

 県漁協の西村さかり専務理事は、漂流・漂着する木造船について「漁業者にとっては厄介者以外の何物でもない。木片は、レーダーに映らず、船に当たれば、故障して出漁できなくなる恐れがある」と頭を悩ませてきた。

 ただ、北朝鮮籍とみられる漁船について、20年度は漁業者からの目撃情報はほとんどなかったという。一方、大和堆周辺で違法操業する中国の大型漁船が目に付くようになった。西村専務理事は「木造船では、しけに耐えられず、転覆が相次ぐ。中国の大型船が漁場に進出しており、北朝鮮は大和堆周辺から撤退したのではないか」と推測している。

       ◇

 北朝鮮の今後の動向は不明だが、これまでも漂流する木造船に人が乗っていたり、流れ着いた船に遺体があったりする例が報告されている。

 酒田海上保安部の担当者は「木造船を見つけたら、興味本位で近付いたりせずに、すぐに118番してほしい」と呼びかけている。

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1991484 0 社会 2021/04/17 07:56:00 2021/04/17 07:56:00 2021/04/17 07:56:00 砂浜に漂着した北朝鮮の木造船の一部(1月25日、酒田市浜中で)=酒田海上保安部撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210416-OYT1I50113-T.jpg?type=thumbnail

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