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「調布と同じことが起きないか心配」外環道沿線の自治体、工事への不信感広がる

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 東日本高速道路などによる東京外郭環状道路(外環道)のトンネル工事の影響で、東京都調布市の市道が陥没する事故が起きてから18日で半年となった。同社の有識者委員会は3月、再発防止策を公表したが、陥没現場周辺住民の不信感は強まり、事故の影響は近隣自治体にも広がっている。(広瀬誠)

仮移転40軒対象

陥没した調布市内の市道(2020年10月18日撮影、読売ヘリから)
陥没した調布市内の市道(2020年10月18日撮影、読売ヘリから)

 陥没事故は昨年10月18日、同市東つつじヶ丘で発生。現場地下約47メートルでは、大深度地下利用法で認可された外環道工事のため、トンネル掘削用機械が通過しており、陥没事故の後も、付近の地中に空洞が三つあることが相次いで判明した。

 陥没現場近くの住民(73)は「この半年間、全く気が休まらない」と振り返る。「家ごと下に落ちるのでは」と不安に駆られ、刺しゅうなどの習い事も休みがちになったという。

 この間、工事と事故の因果関係が認定され、同社は周辺住民に対し、家屋被害や健康被害などへの補償を行うと表明。今年3月には再発防止策の公表とともに陥没地点周辺の長さ約360メートル、幅約16メートルの地盤を補強するため、範囲にある約40軒に仮移転を求める意向も示した。

 この住民が家を建てたのは15年ほど前で、ついの住み家として愛着を持っている。仮移転の対象となることを覚悟している一方で、憤りがこみ上げる。「ずさんな工事で勝手にトンネルを掘り、それが原因で地上の家を壊すなんて話があっていいのか」

今後の掘削に不安

 「調布と同じことが自分の家の下であるんじゃないかと思うと心配」「大丈夫と言われても納得できない」

三鷹市内で開かれた東日本高速道路などによる住民説明会
三鷹市内で開かれた東日本高速道路などによる住民説明会

 同社などが、これから掘削が予定されている三鷹市で今月7日に開いた住民説明会。会場からは、工事への不安を訴える声が相次いだ。

 同社はこれまで、調布市の陥没現場付近の住民に対象を限定し住民説明会を開いてきたが、4月には初めて、世田谷区、三鷹市、武蔵野市など外環道が通る沿線自治体でも実施。7区市で計512人が出席し、中には工事中止を求める意見もあった。沿線自治体のある首長は「あれだけ掘り進んでいる工事なので、中止ということにはならないだろう」との認識を示しつつも、「とにかく安全を確認しないと工事再開は認められない」と語気を強める。

街づくりにも余波

 陥没事故の余波は、他自治体の街づくりにも及んでいる。

 地上の中央道と地下の外環道を結ぶ中央ジャンクション(JCT)(仮称)が設置される予定の三鷹市北野。地下トンネルと地上をつなぐ部分は地上から地面を掘る方法が採られ、国土交通省が2010年から必要な土地17万6000平方メートルの買収を進め、現在はほぼ取得を終えた。最終的には掘った部分に蓋をし、上部空間を公園として活用する方針だが、市は調布市の陥没事故で外環道の整備が長期化し、公園整備の時期も遅れるとみている。

 JCT設置のため畑5000平方メートルを収用されたという農業の男性(72)は「今はJCT工事で地域が分断されているが、その上に空間ができればいい街にしていけると楽しみにしていた。それが事故でどんどん遅れてしまう」と困惑する。

 ◆大深度地下利用法=通常使用されることのない地下40メートルより下を「大深度」と定義し、公益性の高い事業の実施については土地所有者の許可や補償を不要とした法律。東京、大阪、名古屋の3大都市圏が対象で、2001年4月に施行された。

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1994667 0 社会 2021/04/19 07:24:00 2021/04/19 07:24:00 2021/04/19 07:24:00 陥没した市道。東京都調布市で。本社ヘリから。2020年10月18日撮影。同年12月19日朝刊「陥没「外環道工事が要因」 東日本高速 住民に補償 表明」掲載。 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210419-OYT1I50008-T.jpg?type=thumbnail

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