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群馬県高崎市吉井町塩で20年以上にわたって自給生活を続ける作家新藤洋一さん(57)が、自身の経験や知恵を紹介する「小さい農業で暮らすコツ―養鶏・田畑・エネルギー自給―」(農文協)を出版した。新型コロナウイルス感染拡大で地方移住への注目が集まる中、自給生活に興味を示す人も増えて増刷が決まった。新藤さんは「まずは趣味として始めてほしい。お金では買えない喜びがある」と語る。

富岡市出身の新藤さんは27歳まで、東京都内の会社に勤務していたが、満員電車に揺られる日々に疑問を感じ、「田舎で生活をしよう」と一念発起して退職。石川県の農場で、有機無農薬栽培とニワトリを屋外に放して平飼いする養鶏を学んだ。
退職から4年後には旧吉井町の実家に戻り、養鶏と農業を始めた。2000年から自家製の卵や米、野菜を使った総菜店やラーメン店を営んで妻子との生計を立てた。3年前にラーメン店をやめた後、自給生活を続けながら執筆業に専念し、記録映画の撮影にも挑戦している。
現在は米、麦、大豆と季節の野菜を栽培し、鶏15羽を飼育する。太陽光発電をテレビなどの家電製品に利用し、もらった

著書では、格安で鶏を飼う方法や、ごみを出さない暮らし、災害対策としての太陽光発電、バイオガスプラントの作り方、薪の調達方法などを写真や図解で解説。年間の諸経費については鶏の餌代に1万円、作物栽培経費に1万円、水道光熱費に8万4000円と紹介している。自給生活には挑戦の過程に「奥深い面白さがある。できる範囲でやることがコツ」と言う。
A5判128ページ。税込み2200円。他に著書「新新貧乏物語」などもある。問い合わせは新藤さん(090・1850・8362)へ。