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「動かないで」上野のストリップで捜査員は叫んだ…70年前に最高裁が示した判断は

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 東京・上野のストリップ劇場「シアター上野」の経営者ら男女6人が今月、警視庁に公然わいせつ容疑で現行犯逮捕された。だが、ストリップ劇場はそもそも風営法で「性的好奇心をそそるため衣服を脱いだ人の姿態を見せる興行」と規定されている。裸を売りにする劇場が摘発された理由はいったい何だったのか。

警視庁
警視庁

 「動かないで!」。今月14日午後0時半頃、シアター上野でこの日最初のショーが終盤を迎えたその時、客席に潜入していた捜査員の大きな声が響いた。同時に近くで待機していた約50人の捜査員が劇場内になだれ込み、経営者の男(55)やダンサーの女(38)ら6人を次々と現行犯逮捕した。

 警視庁幹部によると、6人は同劇場のステージ上でダンサーの下半身を露出し、客に観覧させた疑いが持たれている。この日の客は15人。ダンサーは全裸で、客の至近距離で脚を開いたり、下半身に照明を当てて見せたりしていた。1回500円で、ダンサーをデジカメで撮影できる「サービス」もあったという。

 逮捕後、経営者の男は「取り締まりを受ける覚悟で露出させていた」と容疑を認め、ダンサーらも「生活のためだった」とうなだれたという。

 ストリップ劇場を巡っては、過去にも経営者やダンサーが公然わいせつ容疑で摘発されている。警視庁は2008年11月、渋谷区道玄坂の劇場を摘発し、経営者ら6人を逮捕。大阪府警も12年11月、大阪市の劇場経営者やダンサーら9人を逮捕している。

 だが、風営法と同法施行令は、ストリップ劇場について「性的好奇心をそそるため衣服を脱いだ人の姿態を見せる興行」(法第2条第6項第3号)などと定めている。衣服を脱ぐことは想定されており、実際のところ、警察に摘発される劇場は一部にとどまる。

 都内のあるストリップ劇場の関係者は「うちは下半身に照明を当てるような露骨な演出はしない。シアター上野は『やりすぎ』だったのではないか」と推察するが、果たして公然わいせつに該当するかどうかの基準はあるのだろうか。

 さかのぼること70年余。1948年に広島市の劇場でストリップが摘発された事件では、「わいせつか芸術か」などを巡って最高裁まで争われた。この事件で最高裁は50年、女性が下半身を露出した状態で約1分半ポーズをとった行為などについて、「公然わいせつ罪にあたることが明白」との判断を示していた。

 シアター上野の事件でも、ダンサーはステージ上で一定の時間、下半身を露出し続けていた。警視庁幹部は「正規の届け出をした性風俗店とはいえ、何をしても良いというわけではない。ことさらに下半身を強調する演出は公然わいせつに当たる可能性がある」と話しており、やはり露出の程度や中身によって、摘発の可否が判断されるようだ。

 甲南大の園田寿名誉教授(刑法)は「誰が被害者なのか分かりづらく、『摘発に意味はあるのか』と言われることもあるが、秩序を乱す行為が社会にはびこっているという嫌悪感が公然わいせつ罪の処罰の根拠となっている。法の定めがある限り、今後も積極的な捜査が行われるだろう」と指摘している。

(坂本早希)

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2016935 0 社会 2021/04/28 11:43:00 2021/05/04 16:48:27 2021/05/04 16:48:27 警視庁。東京都千代田区霞が関で。2020年11月1日撮影。 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210428-OYT1I50035-T.jpg?type=thumbnail

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