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再生可能エネルギー事業への融資名目で金融機関から約4億円をだまし取った疑いが強まったとして、東京地検特捜部が27~28日、太陽光発電関連会社「テクノシステム」(横浜市、生田尚之社長)や関係先を詐欺容疑で捜索した。特捜部は融資金が事業以外に流用された疑いがあるとみて、押収した資料の分析を進める。

関係者によると、同社は昨年、木材や家畜のふんを燃やすなどして発電する「バイオマス発電事業」への融資の名目で、静岡県内の信用金庫に虚偽の書類を提出し、約4億円を詐取した疑いがもたれている。この金の一部は、別の借入金の返済に充てられた疑いもあるという。
特捜部の捜索は27日に始まり、日をまたいで行われた。横浜市西区の横浜ランドマークタワーに入る本社や、東京支店が入居する東京都千代田区のビルでは、27日夜から28日未明にかけ、係官が押収資料を詰めた段ボールをワゴン車に乗せ、運び出していた。
民間信用調査会社によると、テクノシステムは2009年12月設立。本社のほか、全国に9支店を置き、太陽光発電やバイオマス発電といった再生可能エネルギーに関連する事業のほか、不動産開発事業や飲食業などを展開している。19年11月期の売上高は約161億円。
同社側は、インターネット金融大手「SBIホールディングス(HD)」傘下の金融仲介会社「SBIソーシャルレンディング(SL)」がネットを通じて投資家から集めた資金の融資を受けていた。
SBISLは2月、「貸付先の事業運営に重大な懸念事項が生じている可能性がある」と発表。28日には弁護士などによる第三者委員会の調査報告書を公表し、テクノシステムを匿名とした上で、同社側への融資について「『情実融資』とも評価できる」などと問題点を指摘した。