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築90年の駅舎解体、市民から惜しむ声…「地元のシンボル」保存目指すも難しく

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 湖西地域の足として親しまれ、半世紀前に廃止された江若こうじゃく鉄道で、唯一現存する旧近江今津駅(滋賀県高島市今津町)の築90年余りの駅舎が老朽化のため解体されることになり、6日、工事が始まった。地元では「当時をしのぶシンボル的な建物がなくなるのはさみしい」と惜しむ声が上がっている。

解体が決まった旧近江今津駅舎(滋賀県高島市で)
解体が決まった旧近江今津駅舎(滋賀県高島市で)

 同駅舎は、江若鉄道浜大津―近江今津間(約51キロ)が開通する前年の1930年に完成。緩やかな勾配の1階屋根と急勾配の2階屋根の対比が特徴の木造建築だ。JR湖西線の開業などで69年に江若鉄道が全線廃止となった後、JA今津町(現JAレーク滋賀)が同駅舎を買い取り、旅行センターやテナントの食堂などに活用されてきた。

 だが、老朽化が進み、JA今津町は2019年までに「台風や雪で瓦がはがれ落ちる危険があり、これ以上の保存は難しい」と解体を決めた。

 地域住民の有志らは駅舎を保存、活用しようと同年5月に市民団体を設立し、署名活動やJA側との協議を進めたが、駅舎の売却料、土地の賃料などの条件が折り合わなかった。

 今年4月、JA今津町などが合併して発足したJAレーク滋賀の担当者は「市民団体の方々は保存に向けて頑張っていただいたが、危険な建物を放置しているとの意見もあった。残念だが、5月半ばには解体を終える予定だ」と話す。跡地は当面、駐車場として利用する方針という。

開通当時の写真展示

江若鉄道の写真を眺めながら駅舎の解体を惜しむ人たち
江若鉄道の写真を眺めながら駅舎の解体を惜しむ人たち

 解体工事を前に、住民有志らは3日、市や個人が所有する開通当時の写真など約20点を駅舎近くの駐車場に展示した。地元住民のほか、県内外から鉄道ファンも訪れ、記念撮影をしたり、思い出などを語ったりして名残を惜しんだ。

 父親が江若鉄道で働いていたという近所の女性(79)は「見ると懐かしい気持ちになる駅舎を時代の証人として残してほしかった」と肩を落とした。

 住民でつくる「江若鉄道近江今津駅舎保存活用協議会」共同代表の橋本源之助さん(76)は「JA側と一緒に保存と活用を考えていきたかった。何とか残す方法がなかったか。ただただ悲しい」と話した。

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2035030 0 社会 2021/05/07 14:17:00 2021/05/07 16:32:46 2021/05/07 16:32:46 解体が決まった駅舎(高島市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/05/20210507-OYT1I50067-T.jpg?type=thumbnail

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