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大けがした女児「プップ、ドンするよ!」残る事故の恐怖感…園児死傷2年

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 大津市大萱の県道交差点で2019年5月、保育園児らが車同士の衝突に巻き込まれて死傷した事故は8日、発生から2年を迎えた。事故現場では、市民らが花を手向けたり、手を合わせたりして、冥福めいふくを祈った。(松山春香、山根彩花)

事故現場で手を合わせる人たち(大津市で)
事故現場で手を合わせる人たち(大津市で)

 事故は2年前の午前10時15分頃に発生。当時2歳の園児2人が亡くなったほか、園児や保育士ら14人が重軽傷を負った。

 事故現場には、朝から市民らが立ち寄った。大津市の主婦(44)は「事故がなければ、(亡くなった)子どもたちは成長して色々な経験ができたのにと思うと、同じ子を持つ親として悲しい。ドライバーには、この事故を自分のこととして考えて運転してほしい」と話した。

 事故発生直後に現場を通りかかったという大津市の男性(77)は「大人が助けに入り、警察も来て騒然としていた。2年が過ぎたが、あの光景が忘れられない」。ジュースを供えた京都市伏見区の会社員女性(48)は「子どもたちには何の罪もない。ドライバーはもっと気をつけて運転してほしい」と語った。

「息子の持ち物で捨てたものない」

 事故の遺族ら3家族が書面での取材に応じ、弁護士を通じて公表した。

 当時2歳の男児を亡くした親は「今でも悪い夢をずっと見ていて、目が覚めたら息子が元気に走り回っていて、『なんやー夢かー』『夢でよかったー』ってなるような不思議な気持ちのままここにいます。でも2年たっても目が覚めません。現実だからです。寂しいです。悲しいです。つらいです」と胸の内を明かした。

 男児には、姉と一緒に水泳教室に通う希望があり、「普通に成長していれば、いろんなことをやらせてあげられたはずですが、今となってはそれがかなわないことが悔しいです」。今も誕生日やクリスマスにはプレゼントを買っているという。「息子の持ち物で捨てたものはありません。私たちの中では息子はまだ生きています」とつづった。

 重傷を負った女児(5)の親は、通っていた保育園が事故再発を恐れて散歩などの外出を減らしたため、転園を決意。「私たちの生活の大部分を変えることになり、改めてあの事故の大きさを実感しています」と記した。

 やはり大けがをした女児(5)の両親は「駐車場などで手をつながないと、(娘は)『プップ(車)、ドンするよ!』と言います」と、幼い子の胸に事故の恐怖感が残ることに心を痛める。「事故がもたらす被害について、まだまだ世のドライバーは無知だと感じます。運転手の誰もが加害者になり得る。ハンドルを握るその手が、大切な人を抱きしめるための手であってほしい」と願っていた。

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2038605 0 社会 2021/05/09 12:03:00 2021/05/09 12:18:47 2021/05/09 12:18:47 手を合わせる親子連れ(大津市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/05/20210509-OYT1I50034-T.jpg?type=thumbnail

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