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元組員受け入れの意向示した「協賛企業」377社に…企業給付金で広がる支援の輪

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 暴力団から離脱した元組員を雇用した際に支給金が出る福岡県の雇用給付金制度の下、元組員を受け入れる意向を示した「協賛企業」が増えている。今年1月の企業数は377社で、制度開始から約5年で2・5倍。実際に受け入れた企業は延べ68社に上る。県警は「社会復帰できる環境づくりが市民の安全安心につながる」と今後も取り組みを強化させる考えだ。(横山潤)

 「就労意欲がある元組員は社会全体で支援する必要がある。会社としては人手も欲しかったので助かっている」。県内で建設会社を営む60歳代の男性は昨年11月、約5年前まで特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)系組幹部だった60歳代の元組員を雇い入れた。会社は新型コロナウイルスの影響で仕事が減少、使い道が自由な給付金を運転資金に活用できるメリットもあった。

 制度は2016年に導入された。県警が14年9月以降、工藤会のトップらを逮捕する「頂上作戦」を展開し、離脱を希望する組員の増加に対応。1人あたり最大72万円を給付するほか、雇用した元組員が仕事上のミスで損害を与えた場合に200万円まで補償する。

 男性経営者は、県警が暴力団員を社会復帰させる対策に力を入れていることを知り、17年末に就労を受け入れる協賛企業に登録。初めての受け入れだった。

 雇い始めの頃は、うまくいかないこともあったという。元組員は重機を扱う仕事を希望しており、当初は、片付けなど雑用続きで不満を漏らした。給与口座を作ろうとしても元組員であることなどを理由に金融機関に断られ落胆もした。

 経営者が根気強く声をかけ続けたところ、表情が柔らかくなり仕事にも熱が入るようになった。今は周囲に感謝の言葉を述べるようになったという。経営者は「元組員だからといって区別する必要はない。今後も打診があれば、受け入れたい」と話す。

     ■

 制度が始まった際、150社だった協賛企業は377社に増えた。県警が企業を回り、社会全体で支援する必要性などを説明した効果だ。取り組みは成果も上げつつある。福岡県では全国最多となる五つの指定暴力団が本拠を置くが、県警が離脱の支援をした元組員は5年で546人。県内の暴力団勢力は、昨年末で1530人となり、前年比160人減で7年連続で過去最少を更新した。

 しかし、受け入れ先の業種は建設業が多い。希望する職種が合致しないなどマッチングが思うように進まない難しさもある。

 また協賛企業は増えているが、就労支援は18年の19人をピークに2年連続で減少。昨年は新型コロナの影響で面接が難しかったことなどもあり、10人だった。

 元組員の就労の選択肢が広がるよう協賛企業の職種を増やすとともに、受け皿を効果的に活用するための運用面が課題となる。県警の担当者は「労働経験がなく社会復帰に必要な資金や運転免許すらない元組員も多い。離脱への後押しをする機運をさらに高めたい」と話している。

福岡方式参考 愛知も手厚く

 暴力団から離脱した元組員を雇用した企業に対する給付金制度は、各地でも広がる。山口組幹部の出身母体「弘道会」の本部がある愛知県では、手厚い福岡県の制度を参考に、今年度から内容を充実させた。

 愛知県では1996年度から元組員を雇った企業に、1か月あたり最大で5万円を半年間給付する制度があった。だが活用は1社だけで2002年度以降は使われず形骸化していた。

 暴力団抗争とみられる事件が相次ぐ中、組織の弱体化につなげようと、制度を一新。今年度から福岡と同じ1人あたり最大72万円の給付金、上限200万円の損害補償金の支給を始めた。

 長崎県では1か月最大10万円の給付金を半年間支給している。

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2049161 0 社会 2021/05/13 15:41:00 2021/08/27 13:45:42 2021/08/27 13:45:42 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/05/20210513-OYT1I50082-T.jpg?type=thumbnail

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