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目の見えない私がなぜダンス?…日本・英国・バングラデシュの障害者が舞台「テンペスト」

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 日本、英国、バングラデシュの障害のある役者たちが演じる舞台「テンペスト~はじめて海を泳ぐには~」が、東京・東池袋で上演されている。障害、言語、距離――。コロナ禍の中、あらゆるテンペスト(大嵐)を乗り越えて作り上げられた作品は、互いに違いを認め合い、ともに生きることの素晴らしさを伝えている。

「テンペスト~はじめて海を泳ぐには~」の一場面(c)石川純
「テンペスト~はじめて海を泳ぐには~」の一場面(c)石川純

(英字新聞部 森太)

 2日の公演。全盲の関場理生りおさん(24)の全身を使ったエネルギッシュなダンスに観客から自然に手拍子がわき起こった。「聞こえない人がダンスをするならわかるけど、目の見えない私がなぜ?」。最初はそう思ったという関場さんはこの日の公演後、「目が見えない人はダンスが苦手と私自身も思い込んでいた。でも踊ってみたら楽しい。このダンスで障害のある人への先入観を壊していければいいなと思う」と話した。

(c)石川純
(c)石川純

 総合演出は、聴覚障害のある英国人の演出家ジェニー・シーレイさん。2012年のロンドン・パラリンピック開会式の共同ディレクターを務めた。昨年5月にシェークスピア最後の戯曲テンペストを大胆に再構成した作品を上演する予定だった。だが世界を襲った新型コロナウイルスの嵐ですべての計画が狂い、再び内容を大幅に見直した。

 その結果、ろう、全盲、身体障害など様々な障害を抱える出演者たちが配役の演技以前に、自分自身として登場して自らの障害を語り、コロナ禍の中、テンペストを完成させていく劇中劇となった。

(c)石川純
(c)石川純

 様々な障害を抱える人たちが集まり、同じ舞台を作ることは珍しいという。稽古では誰かが話すと、それを手話通訳し、手話は声で通訳する。英国からオンラインで指導してきたシーレイさんとの会話には、さらに英語の通訳が入る。手話の表現も国によって異なるなど、多くの困難を一つずつ乗り越えてようやく完成した。

 英国3人、バングラデシュ2人の役者たちも映像参加となったが、7人の日本人出演者たちの演技とシンクロし、まるでそこにいるかのように錯覚させる。舞台では、だれもが理解できるよう手話には声がオーバーラップし、声のセリフには手話が入る。

 日本側の演出を担当し、舞台にも出演している大橋ひろえさん(50)は、「私たちのありのままの姿を楽しんでほしい」と話す。シーレイさんは、「わかりづらさやもどかしさを感じることがあるかもしれないが、見えない壁を乗り越えようとすること、想像力を働かせることで見えてくるものがある。いろいろな気づきを与えてくれる特別な作品になった」とメッセージを寄せている。

 英国の国際文化交流機関ブリティッシュ・カウンシルなどが主催。入場者を半分以下に制限し、「あうるすぽっと」(豊島区立舞台芸術交流センター)で6日まで上演中。詳しくは、劇場ホームページで。

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2098694 0 社会 2021/06/03 18:00:00 2021/06/03 22:08:01 2021/06/03 22:08:01 「テンペスト~はじめて海を泳ぐには~」の一場面。(c)石川純 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210603-OYT1I50085-T.jpg?type=thumbnail

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