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新型コロナウイルスの影響が長引くなか、誰にもみとられずに亡くなる「孤独死」の深刻化が危惧されている。統計がある大阪市内では、昨年1年間で約1300人にのぼり、前年から約1割増えた。感染対策で、人との交流が減ったり、民生委員らの見守り活動が難しくなったりしており、専門家は行政が安否確認に積極的に関与する必要性を指摘する。(森安徹、夏井崇裕)
山積みの食料
「コロナが怖いから、家に来るな」
離れて住む息子2人にこう告げていた元ラーメン店主の80歳代男性は今年3月18日、大阪府枚方市の自宅2階の寝室で死亡しているのが見つかった。死因は不明だが、死後約2か月たっていたとみられる。
関係者によると、男性は感染が広がった昨春以降、自宅にこもりがちで、買い置きした商品が大量に残されていた。和室にはトイレットペーパーが30袋超。台所にはカップ麺などの食料品が入った段ボール10箱以上が積まれていたという。

同府吹田市の住宅でも3月6日、一人住まいの男性(59)が死亡から約半年たって見つかった。感染防止のため訪問を控えていた兵庫県在住の姉(63)は「何らかの形で助けを求めてくれていたら……」と悔やんだ。
遺品整理相談も
孤独死に関する法律上の定義や国の統計はないが、大阪府監察医事務所は死後4日以上発見されなかったケースを「孤独死」として独自に集計しており、2020年は大阪市内(人口約275万人)で1314人確認された。前年から143人増え、18年の1240人を上回って集計を始めた17年以降で最多だった。
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