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SNS不適切投稿の岡口判事、弾劾裁判へ…訴追委が決定

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 SNSに不適切な投稿をしたとして、最高裁から2度の戒告処分を受けた岡口基一・仙台高裁判事(55)について、国会の裁判官訴追委員会(委員長・新藤義孝衆院議員)は16日、 罷免ひめん を求めて裁判官 弾劾だんがい 裁判所に訴追することを決定した。

岡口基一判事
岡口基一判事

 訴追委は衆参各10人の国会議員で構成され、裁判官の言動が「威信を著しく失う非行」などにあたると判断した場合に訴追する。裁判官の訴追は過去9件(8人)あり、盗撮事件で略式命令を受けた大阪地裁の判事補(罷免)以来、約8年7か月ぶり。これまでは刑事事件で逮捕されたり、裁判関係者から便宜供与を受けたりしたケースが大半で、SNSの発信が問題となるのは初めて。

 岡口判事は2018年10月、民事訴訟に関する不適切な投稿を対象に最高裁から戒告の懲戒処分を受け、20年8月には、東京都江戸川区の女子高生殺害事件を巡り、フェイスブックに不適切投稿をしたとして再び戒告となった。いずれも「裁判官への国民の信頼を損ねた」ことが理由だった。

 訴追委には、殺害された岩瀬加奈さん(当時17歳)の遺族らから計12件の訴追請求が出ており、訴追すべきか調査を続けていた。

 この日の委員会には新藤委員長ら20人全員が出席。新藤委員長は議決後の取材に、訴追に必要な3分の2以上の出席議員の賛成を得たと説明したが、訴追に至った詳細な理由などは明かさず、「経緯や根拠は弾劾裁判で明らかにする」と述べるにとどめた。

 岡口判事の弁護団は、「裁判官の人権や『表現の自由』に対する重大な脅威だ。弾劾裁判で罷免の理由がないことを主張していく」とのコメントを発表。一方、岩瀬さんの母親の裕見子さん(53)は取材に「訴追委が私たちの主張を正しく受け止めてくれた。弾劾裁判所には一日も早く結論を示してほしい」と語った。

 裁判官は憲法で身分が保障され、心身の故障以外は、弾劾裁判によらなければ罷免されない。弾劾裁判所は衆参両院の各7人で構成され、国会閉会中も裁判を開ける。結論に不服の申し立てはできず、罷免の場合は法曹資格が失われる。

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2129013 0 社会 2021/06/16 17:40:00 2021/06/16 23:54:42 2021/06/16 23:54:42 ツイッターへの不適切な投稿問題で、記者会見する東京高裁の岡口基一裁判官。東京高裁が岡口裁判官の懲戒を申し立てた分限裁判で、最高裁大法廷は戒告の懲戒処分とする決定をした。岡口裁判官は記者会見で、決定への不満を述べた。裁判官がSNS発信を巡って懲戒処分となるのは初めて。東京・霞が関で。2021年6月4日朝刊「不適切投稿判事を提訴 女子高生殺害事件の遺族」掲載。 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210616-OYT1I50109-T.jpg?type=thumbnail

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