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「地下河川」大雨の浸水被害、最小限に食い止める…大阪で活用進む

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 静岡県や神奈川県で2~3日にかけて記録的な大雨が降り、土石流や崖崩れが発生、浸水被害も相次いだ。西日本でも連日の雨に警戒を強める。大阪府は大雨の際、浸水被害が起きやすい寝屋川流域に一時的に雨水をためる施設「地下河川」に水を集める。現在整備中だが、5月の大雨ではすでに活用している一部施設で浸水被害を最小限に食い止めた。(山本美菜子)

 府中部の寝屋川流域は、大阪市や枚方市など12市にまたがり、流域面積は約270平方キロ・メートル。約270万人が住む。この流域の約4分の3が川の水面より低い「内水域」で、雨水が川に流れにくい。

平常時の寝屋川南部地下河川(大阪市内で、大阪府提供)
平常時の寝屋川南部地下河川(大阪市内で、大阪府提供)

 地下河川は下水管の排水能力を超えた雨水を受け入れる巨大なトンネル構造の施設で、低平地での治水対策として1981年から整備が始まった。

 守口、門真、寝屋川、大阪4市にまたがる「寝屋川北部地下河川」(総延長約14キロ)と、大阪、東大阪、八尾3市にある「寝屋川南部地下河川」(同約13キロ)の2か所で、2044年度に供用開始の予定。大川や木津川と接続し、ためた水を即時に排水できるようになる。工事は約5割まで進み、完成している施設から活用されている。

5月21日の大雨で満杯に近づく寝屋川南部地下河川の一部(大阪市内で、大阪府提供)
5月21日の大雨で満杯に近づく寝屋川南部地下河川の一部(大阪市内で、大阪府提供)

 5月20日から21日にかけて府内の広い範囲で大雨が降り、大阪市中央区では24時間雨量が5月の観測史上1位の191・5ミリを記録。21日に大東市の一部地域で避難指示の目安となる氾濫危険水位を超えた。

 3月に北部地下河川の一部として供用開始したばかりの守口調節池(貯留量6万トン)で直径5メートルのトンネルが満杯になるなど両地下河川で計58・4万トンを貯留し、氾濫を防いだ。

 府によると、今回と同程度の降雨だった1995年には、約2000戸の床下浸水被害が発生したが、地下河川の整備が進む今回は、被害が5戸(5月24日時点)にとどまったという。

 地下河川はまだ整備途中で、排水に課題を残す。府によると、ためた水は雨がやんだ後に排水されるが、今回は排水に5日程度かかった。立て続けに大雨が降れば氾濫の危険性が高まる。府の担当者は「今回は深夜と早朝の2度にわたって激しく降った。もう少し降れば、危なかったかもしれない」と話す。

 2018年以降、7月の降水量は6月を3年連続で上回っており、警戒が必要だ。担当者は「自宅や職場周辺の水害リスクを調べ、大雨の時は風呂の水を流すのを止めたり、庭のバケツに雨水をためたりするなどの対策をとってほしい」と呼びかけている。

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2182999 0 社会 2021/07/06 13:13:00 2021/07/06 13:13:00 2021/07/06 13:13:00 5月21日の寝屋川南部地下河川の様子(府提供) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210705-OYT1I50063-T.jpg?type=thumbnail

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