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児童相談所が男児との面会制限、市「明確な理由なし」…父親「虐待と決めつけないでほしい」

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 堺市で2019年、当時2歳の男児が市の児童相談所に一時保護され、4か月間両親との面会が認められなかった問題で、市は5日、「長期間制限する明確な理由はなかった」とする検証結果を公表した。男児は親による虐待の疑いで保護されたが、その後裁判所が虐待を否定していた。市は保護は妥当だったとした上で、面会の対応に問題があったとして、面会に関する手引を作成し、柔軟に認めていく方針を明らかにした。

堺市役所
堺市役所

 市などによると、男児は19年12月末、首に線状の傷が見つかり、児相に一時保護された。両親は「寝ている時に母親の髪の毛が首に絡まった」と説明したが、児相は保護を解除せず、保護の延長を求める審判を大阪家裁堺支部に申し立てた。

 審判では、両親が依頼した法医学者が、けがは髪の毛が首に絡まる「ヘアターニケット症候群」で起きたとの書面を提出。2審の大阪高裁が20年4月、「虐待を疑う事情はない」と指摘し、男児は5月上旬に両親との面会を許されたが、帰宅できたのは12月だった。

 弁護士らでつくる市の審議会の部会がまとめた報告書は、一時保護については「命の危険があるけがで、必要だった」と指摘。その上で「愛着形成に重要な時期に、長期間面会を制限する明確な理由がなかった」とし、「保護者の心情に寄り添った対応をするべきだった」と批判した。

 市は再発防止策として、子どもが拒否したり、悪影響が懸念されたりする場合を除いて、「面会を早期に認めるようにしていく」と説明。そのために面会の適否を判断するチェックシートや手引を作成し、週1回の会議で検討するとした。

 一方、市は、男児のけがの原因については「わからない」とした。

     ◇

 検証では、両親が求めていた両親への聞き取りは実施されなかった。市から検証結果の説明もなく、父親(29)は取材に「誤って虐待と判断したことの反省がなく、何のための検証だったのか」と不満を語った。

 両親は19年12月に男児が保護された後、児相に「事故だ」と繰り返し訴えていた。面会も求めたが、「調査中」「危険性がある」との理由で認められなかった。

 4か月ぶりに面会できたのは男児の3歳の誕生日。以前のように「パパ」「ママ」と呼ばず、表情はこわばっていた。帰宅後も不安がり泣くことが多くなった。

 両親がけがの原因として児相に説明してきた「ヘアターニケット症候群」は、海外でも報告事例がある。

 父親は「虐待と決めつけず、事故でも起きると広く知ってほしい」と話した。

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2182372 0 社会 2021/07/06 09:13:00 2021/07/06 10:41:42 2021/07/06 10:41:42 堺市役所。堺市堺区で。2020年11月16日撮影。 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210706-OYT1I50026-T.jpg?type=thumbnail

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