バス・タクシー運転手、心筋梗塞や脳疾患など乗務中の体調不良が増加…死傷事故のケースも

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 バスとタクシー、トラックの運転手が乗務中に体調不良となり、事故などを起こすケースが増えている。国への報告件数は2倍以上に増加しており、歩行者らが巻き込まれて死亡した事故もあった。事業者や国は健康対策を強化するが、新型コロナウイルスによる経営悪化で対策がとれない事業者も出ている。(越村格)

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帝都自動車交通が導入している携帯型心電計。短時間で体調不良の兆しがわかる(6月28日、東京都荒川区で)
帝都自動車交通が導入している携帯型心電計。短時間で体調不良の兆しがわかる(6月28日、東京都荒川区で)

 東京都荒川区にあるタクシー大手「帝都自動車交通」(東京都中央区)の日暮里営業所。男性運転手(60)が携帯型心電計を両手で挟むように持って測定すると、5分後に、データを受信した分析会社から「問題なし」とメールが届いた。

 帝都自動車は2019年10月から乗務前の心電図測定を実施する。心臓などに持病を持つ運転手が対象で、この営業所では2人が検査を受ける。男性は血糖値も高いといい、「検査のお陰で安心してハンドルを握れる」と話した。

 神戸市の運送会社「舞子運送」も昨年6月、運転手ら約60人の健康確認に携帯型心電計を加えた。4年前、体調不良で早退した運転手の容体が急変し、入院したのが導入のきっかけ。河原靖典代表は「運転中だったらと思うとぞっとした。社員の健康を守るのは会社と社会を守ることにつながる」と語る。

平均年齢高く

 国土交通省は、バスとタクシー、トラックの事業者に対し、運転手の体調不良に起因する事故の報告を求めている。報告によると、乗務中に体調不良で事故を起こしたり、乗務を中断したりしたケースは、13年から14年にかけて増え始め、19年は327件で13年の2・4倍になった。

 このうち人身事故は毎年20件前後を占める。横浜市内では18年10月、路線バスの運転手が失神して、バスが車に追突し、乗客ら7人が死傷した。今年1月には東京都渋谷区でタクシー運転手が意識を失い、タクシーが暴走して歩行者6人が死傷、運転手が死亡する事故も起きた。

 体調不良の原因を13~19年の報告でみると、体調不良を訴えた運転手計1891人のうち、心筋 梗塞こうそく などの心疾患が275人で最多、次に脳疾患が253人だった。バスとタクシー、トラック運転手の平均年齢は46・4~59・5歳でいずれも全産業の平均(43・2歳)より高い。ドライバーの高齢化などが、体調不良による事故増加の要因になっている可能性がある。

 

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