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走行中の事故40年間ゼロ、44億人運んだ地下鉄…「今後も安全第一」誓い新たに

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橋本車両基地で地下鉄の歴史を振り返る瀬戸さん
橋本車両基地で地下鉄の歴史を振り返る瀬戸さん

 福岡市地下鉄は26日、開業40年を迎える。空港線に始まり、箱崎線、七隈線と延伸を続け、多くの人の生活と市の発展を支えてきた。「今後も安全第一で、市民を輸送する」。その歴史のほとんどを見届けてきた職員は、節目を前に誓いを新たにしている。(植田優美)

 「ここも昔は一面田んぼだったけど、随分変わった。車両も古くなったな」

 七隈線を走る車両が並ぶ橋本車両基地(西区)で、交通局運輸部長の瀬戸邦博さん(58)は感慨深げに語った。福岡市役所に入庁以来38年間、一貫して交通局に勤務する唯一の職員。「線路の点検から駅の設計、工事監督に延伸事業と、何でも携わらせてもらって幸せだった」と振り返る。

 市出身で県立福岡工業高土木科(当時)を卒業後、1983年に入庁。窓口業務を想像していたが、配属されたのは交通局だった。「『交通』って警察関係かな、と勘違いするくらい思いがけないことだった」

 2年前に部分開業していた空港線のレールの点検などを担当した後、未開業だった福岡空港駅の出入口の設計を担当。2005年に開業した七隈線の建設工事では、渡辺通駅の設計や橋本車両基地の工事監督員、トンネル内にレールを敷設するための軌道監督員など、多くの工程に携わった。発展を続ける地下鉄の仕事を知るほどに「このまま交通局から離れたくないな」と意識するようになった。

 一から建設に携わった橋本車両基地には特に思い入れがある。田んぼの土をかき出し、約4年かけて7・9ヘクタールを造成。約2メートルかさ上げされた敷地には、七隈線のトンネル掘削で生じた土が敷かれている。

 七隈線の延伸計画では、トンネル建設のために国へ提出する許可申請を約3年がかりで担当。その後は課長として既設線のトンネルの維持管理などを担った。

◆事故ゼロ「誇り」

 部長室には「安全を全てに優先する」などと記された「安全方針」が掲げられている。地下鉄と共に歩んできた職員として、開業以来、脱線や衝突といった運行中の事故が1件もないことは誇りだ。それだけに、16年にJR博多駅前の延伸工事現場で起きた陥没事故は苦い記憶となっている。当時は工事の担当でなかったとはいえ「『土木屋』として、申し訳なくて仕方がなかった」と唇をかむ。

 交通局に「骨をうずめるつもり」でいる瀬戸さんにとって、七隈線の延伸工事が無事に終わり、車両基地を出発した列車が博多駅に到着するのを見届ける日は待ち遠しい。

 「定年まで2年半。開業40年のその先も安全運行ができるよう、部下への技術継承と、安全の啓発をしていきたい」

コロナ禍、苦境続く

 福岡市地下鉄は、福岡市の人口が110万人ほどだった1981年7月26日、都市部の渋滞緩和などを目的に開業した。

 空港線の部分開業(室見―天神、5・8キロ)から延伸を続け、86年には箱崎線(中洲川端―貝塚、4・7キロ)が、93年には空港線(姪浜―福岡空港、13・1キロ)が全線つながった。七隈線(橋本―天神南、12・0キロ)は予定より2年遅れ、2022年度に博多駅まで約1・4キロ延伸される。

 開業以来の利用者数は今年3月、44億人を突破した。ただ、新型コロナウイルスの影響で、1日当たりの利用者数は19年度の約47万人から20年度は約30万人まで減少。収益も15年度以降は黒字が続いていたが、20年度の最終予算では46億円程度の赤字を見込む。

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2231647 0 社会 2021/07/24 21:28:00 2021/07/24 21:28:00 2021/07/24 21:28:00 橋本車両基地で、地下鉄の歴史を振り返る瀬戸さん https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210723-OYT1I50104-T.jpg?type=thumbnail

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