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過重労働で脳や心臓の病気になった人の労災認定基準について、厚生労働省の専門検討会(座長=磯博康・大阪大教授)が見直しを求める報告書をまとめた。発症前1か月の残業が100時間に上った場合などに適用している現行の「過労死ライン」は妥当とした上で、労働時間以外の負荷も考慮することが適切と指摘した。
報告書を受け、同省は約20年ぶりに労災認定基準を見直し、今秋までに全国の労働局に通達する方針。
脳出血や心筋
今回、検討会は、過労死ラインなどの現行基準について、「医学的知見に照らして是認できる」とした上で、労働時間以外にも、働き手にとって負荷となりうる要因はあると指摘した。
報告書では、たとえば、▽終業から次の始業まで一定の時間をあける「勤務間インターバル」が11時間未満の勤務▽休日のない連続勤務▽身体的負荷を伴う業務――などは発症との関連性が強いとしている。仮に月単位の労働時間の合計が過労死ラインを超えない場合でも、こうした「労働時間以外の負荷要因」を考慮して労災の認定作業にあたることが適切とした。
さらに、多くの研究で心理的負荷が高いほど脳・心臓疾患の発症リスクが高いと認められてきたことから、報告書では、パワハラやセクハラなどの心理的負荷も広く労災認定の判断材料とするよう明示した。