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温厚だった妻、陰謀論の動画にはまり「まるで別人に」…[虚実のはざま]第4部 深まる断絶<4>

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「全部ウソ」

 「妻はまるで別人になってしまった。一緒に住んでいても、違う世界に行ってしまったように感じる」

 西日本に住む会社員の男性が悲痛な声で語る。

 専業主婦の妻は温厚な性格だった。アレルギー体質の男性を気遣い、妻は手間をかけて食材を選び、食事を用意した。新型コロナの感染拡大初期は毎朝、「怖いから気をつけて」とマスクを手渡してくれた。

昨年まで、妻や娘とよく遊びに来た公園を訪れた男性。「今はどう向き合えばいいのかわからない」と話す=前田尚紀撮影
昨年まで、妻や娘とよく遊びに来た公園を訪れた男性。「今はどう向き合えばいいのかわからない」と話す=前田尚紀撮影

 男性が異変に気付いたのは昨年夏頃。妻はマスクを着けなくなり、とがめられると激高した。「コロナなんて全部ウソなのよ」

 ユーチューブで目にした陰謀論の動画にはまり、毎日、似た内容を見ているうちに影響を受けたためだった。

 男性は今年に入り、コロナやワクチンに関する公的機関の見解をまとめた資料を作った。接種するかどうかを、正確な情報を基に話し合おうと思ったからだ。だが、 豹変ひょうへん してしまった妻は「闇の政府にワクチンでコントロールされる」「国やメディアが真実を隠している」と泣いて反発し、平行線だった。

 夏に接種券が届くと、小学生の娘が男性に言った。「パパ、打つのは絶対やめて」

 妻は、接種事業の中止を国に求めるグループに入り、娘も参加させていた。

 夫婦の会話はなくなり、男性は仕事後、深夜までネットカフェで過ごすことが増えた。何度も離婚を考えたが、娘の将来を思うと踏み切れない。

 ユーチューブでデマを発信する人物の目的は、金もうけだと思っている。

 「家庭をめちゃくちゃにされた。許せるはずがない」。男性は拳を握りしめた。

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2363884 0 社会 2021/09/14 05:00:00 2021/09/14 05:00:00 2021/09/14 05:00:00 連載「虚実のはざま」用カット写真 公園で家族で遊んだ頃を思い出す男性(※顔、後ろ姿もNG)(5日、大阪市西区の靱公園で)=前田尚紀撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/09/20210914-OYT1I50019-T.jpg?type=thumbnail

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