湖面に浮いていた8歳の息子、息がないことはすぐ分かった…父親「この世の地獄だった」

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 昨年9月に福島県の猪苗代湖・中田浜(会津若松市)の沖合でボートに巻き込まれた千葉県野田市の小学3年豊田瑛大君(当時8歳)が死亡、2人が重傷を負った事故から1年余り。福島県警は14日、ボートを操縦していた東京都中央区、会社役員の男(44)を業務上過失致死傷容疑で逮捕した。瑛大君の両親は「瑛大を失った悲しみは癒えない」とコメントを出した。

両親は瑛大君の「お骨」が入ったブレスレットを身に着けている
両親は瑛大君の「お骨」が入ったブレスレットを身に着けている

 発表によると、会社役員は昨年9月6日午前11時頃、会津若松市の猪苗代湖西岸にある「中田浜マリーナ」からモーターボートを操縦して沖合を航行中、安全確認を怠り、ライフジャケットを着て湖面に浮かんでいた3人を巻き込んで死傷させた疑い。

 瑛大君の父親は「この世の地獄だった」と当時を振り返る。あの日、父親は水上レジャーの順番待ちをしていた家族から離れた場所にいた。そのとき、家族がいる方向からモーターボートが沖合に向かっていくのが見えた。ほかのレジャー客から事故を知らされたのは、その直後だった。

 水上バイクで現場に戻ると、湖面に瑛大君が浮いていた。息がないことはすぐにわかった。近くで足を負傷していた妻らを岸まで運び、救急車が来るまで夢中で妻に声をかけ続けた。瑛大君を助けに戻りたかったが、付き添いで病院に行かなければならず、胸が張り裂けそうな思いで中田浜を後にした。

 瑛大君と対面を果たしたのは数日後。会津若松署の霊安室だった。

 横たわった体はやわらかいのに冷たい。「もっと触りたい、抱きしめたい」と思ったが、自分の体温で体が傷んでしまいそうで手が止まった。「自分が家族を連れて来なければこんなことにはならなかった」と後悔した。

 事故後、父親は精神的に不安定になった時期もあった。仕事中に急に瑛大君の顔が浮かんで涙が流れ、周りから奇異の目で見られたこともあった。少しでも悲しみを埋めようと、妻とともに瑛大君のお骨が入ったブレスレットを肌身離さず身に着けている。

 事故から日々を重ねるごとに、瑛大君を失った悲しみは大きくなっていくが、なんとか乗り越えようと夫婦で支え合っている。

 事故から1年となった今月6日には、瑛大君の両親や親戚ら9人が事故現場を訪れた。父親は「一緒に遊べる日までもう少し待っていて」と手を合わせていた。

スクラップは会員限定です

使い方
「社会」の最新記事一覧
2368324 0 社会 2021/09/15 17:45:00 2021/09/20 13:07:02 2021/09/20 13:07:02 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/09/20210915-OYT1I50036-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込みキャンペーン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)