ネット中傷を抑止、侮辱罪厳罰化で懲役刑導入の刑法改正を諮問…テラスハウス事件が契機

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 深刻化するインターネット上の 誹謗ひぼう 中傷対策として、上川法相は16日、侮辱罪を厳罰化し、懲役刑を導入する刑法改正を法制審議会(法相の諮問機関)に諮問した。現在の法定刑は、刑法で最も軽い「拘留(30日未満)または科料(1万円未満)」だが、「1年以下の懲役・禁錮、または30万円以下の罰金」を追加する。法制審の議論を経て、法改正が実現すれば、公訴時効も1年から3年に延びる。

 侮辱罪は、公然と人を侮辱した行為に適用される。明治時代からある規定で、元々は悪口を人前で言ったり、家にはり紙をしたりする行為が想定されていたが、ネットの投稿も対象になる。

 昨年5月にフジテレビの番組「テラスハウス」に出演していた女子プロレスラーの木村花さん(当時22歳)が自殺した問題では、木村さんのSNSに送られた中傷は約300件に上ったものの、投稿者の特定に時間がかかるなどし、時効までに同罪で摘発されたのは2人のみだった。刑も科料9000円にとどまり、「法定刑が軽すぎる」との批判が出ていた。

 法務省は、厳罰化や時効の延長で、ネット上の中傷を抑止し、摘発できる事件も増えるとみている。法制審の議論が迅速に進めば、来年の通常国会に改正法案を提出する方針だ。

上川法相
上川法相

 上川法相は諮問に際し、法制審の総会で「ネット上の中傷が社会問題化しており、こうした行為は、厳正に対処すべき犯罪であると示す必要がある」と述べた。

 16日は性犯罪に対処する法整備と、戸籍の氏名に読み仮名を付けるための戸籍法改正も諮問が行われた。

 性犯罪については、主な検討項目として、強制性交罪の成立に必要な「暴行・脅迫」要件の見直しや、上司や教師など地位や関係性を悪用した行為を対象に新たな罪を設けることなど、計10項目が挙げられている。

 ただ、諮問に先立って行われた同省の有識者会議では多くの論点で法改正の賛否が分かれ、法制審の議論も長期化する可能性がある。

 戸籍法改正は、政府が進めるデジタル化の一環で、読み仮名の登録による行政手続きの迅速化が目的。本来とは異なる漢字の読み方をする、いわゆる「キラキラネーム」をどこまで許容するかも議論される。

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