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「刺激証拠」で裁判員に精神的負担、公判日程取り消しに

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 傷害致死罪に問われた男の裁判員裁判で、大阪地裁(佐藤卓生裁判長)が8月末の初公判後、残りの公判日程を取り消していたことがわかった。弁護側が使う予定だった写真が裁判員に強い精神的負担を与える「刺激証拠」に当たるとして、加工しないまま公判で示すことを裁判長が認めなかったためという。

準備2年、遺族「何していた」

傷害致死

大阪地方裁判所
大阪地方裁判所

 裁判員裁判の公判期日が初公判後に取り消されるのは異例だ。遺体の写真や血の付いた凶器といった刺激の強い証拠(刺激証拠)の扱いには慎重さが求められているが、事前に2年にわたり協議を重ねており、このタイミングでの取り消しに被害者遺族や専門家からは疑問の声が上がっている。

 男は大阪府箕面市の障害者施設元職員 伊住いずみ 祐輔被告(42)。同府茨木市の施設で勤務中の2019年3月、知的障害がある男性(当時30歳)の首を圧迫するなどして窒息させ、搬送先の病院で死なせたとされる。

 19年7月の起訴後、裁判官と検察官、弁護人の3者が集まって争点や証拠を整理する公判前整理手続きが今年8月26日まで計24回行われた。被告は起訴事実を否認しており、争点は▽暴行の有無▽暴行と死亡の因果関係――に絞られ、9月21日の判決を含む計9回の期日が決まっていた。

 8月30日の初公判では、罪状認否で被告が無罪を主張し、検察側の冒頭陳述や男性の母親の証人尋問があった。

加工に応じず

 関係者によると、初公判後、3者が非公開で協議を行った。この際、予定されている遺体の解剖医らへの証人尋問で弁護側が使おうとした写真の中に未加工のものが含まれているとして、佐藤裁判長が公判でそのまま示すことを認めなかった。だが、弁護側も加工に応じず、残り8回の期日取り消しを決めたという。

 弁護側が用意したのは、男性の遺体写真とは別のもので、遺体写真と見比べることで暴行の有無や死亡との因果関係を否定する狙いだったとみられる。写真の存在は公判前整理手続きの段階で明らかになっていたが、加工について裁判所と弁護側の意思疎通が不十分だったとみられる。

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