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在留外国人の接種「言葉の壁」なくせ…17言語対応の予診票、会場に通訳配置も

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 新型コロナウイルスのワクチン接種で「言葉の壁」が在留外国人の接種を妨げている。住民票があれば国籍に関係なく受けられるが、日本語で書かれた接種券や予診票への記入がネックで、二の足を踏む人が多い。自治体や外国人の就労を支援する企業が多言語対応の予診票作成システムを開発したり、会場に通訳を派遣したりして支援に乗り出している。(福永正樹)

予約埋まる

外国人向けの職域接種会場でワクチン接種を受ける男性(12日、大阪市浪速区で)=長沖真未撮影
外国人向けの職域接種会場でワクチン接種を受ける男性(12日、大阪市浪速区で)=長沖真未撮影

 「日本語が理解できずワクチンを受けられなかったけど、やっと打てたので安心できた」。12日午前、大阪市浪速区にある外国人向けの就労訓練施設で始まった職域接種の会場で、ベトナム人の留学生(21)は笑顔を見せた。これまで予診票の記入方法がわからず、接種ができなかったからだ。

 この職域接種は外国人向け求人サイトも手がける施設の運営会社「YOLO JAPAN」(ヨロ ジャパン)が企画した。在留外国人らを対象に約1000人分を用意し、SNSなどで呼びかけたところ、予約は数日で埋まったという。

 同社は、英語や韓国語、タイ語など17言語に対応する予診票作成システムを開発し、職域接種で利用。スマートフォンで予診票の入力フォームに母国語で入力すれば日本語で出力できる仕組みで、同社のホームページなどから無料で使える。加地太祐社長は「不自由なく外国人が打てる環境を整えたい」と話した。

 会場にはベトナム語や中国語など5か国語の通訳が配置され、接種を担った医師(44)は「安心して問診できた。医師一人で言葉の壁がある外国人に対応するのは難しく、こうした場所であれば協力しやすい」と語った。

相談急増

 新型コロナのワクチン接種は原則、国籍に関係なく住民基本台帳に登録された12歳以上が対象。住民基本台帳は、日本に3か月超滞在する人に交付される在留カードの所持者や、在日韓国・朝鮮人ら「特別永住者」が登録できる。

 対象の在留外国人は今年1月時点で約260万人で、日本人と同様に接種券が配布され、無料で受けられる。住民基本台帳に記録がなくても、市町村長が特別な事情があると認めれば接種できる。

 しかし、出入国在留管理庁などによると、接種券の日本語が読めずに捨ててしまったり、予診票に記入できなかったりして接種に至らないケースも多い。また問診で基礎疾患を説明できないため、ためらう人もいるという。

 在留外国人の約8割が50歳未満のため、接種はこれから本格化する見込みだ。

 外国人の接種対象が約13万人に上る大阪市では、相談窓口への外国人の相談が、若年層への接種券の配布を終えた7月以降急増している。8月は462件あり、うち7割は予約に関してで、次いで接種券の再発行についてが目立つという。

 出入国在留管理庁の担当者は「外国人は言葉の問題から日本人に比べて接種が遅れている可能性が高い。効果的な対策が急務となっている」という。

優先接種も

 外国人の支援に取り組み始めた自治体も少なくない。

 大阪府豊中市は外国人に接種券を送る際、予約方法などを10か国語で記した文書を配布。岐阜県は今春の「第4波」で、美濃加茂市などで外国人を中心としたクラスター(感染集団)が発生したことなどから、6月から外国人を優先接種の対象とした。

  京都文教大の杉本星子教授 (社会人類学) の話 「国内の感染拡大を防ぐためにも、外国人の接種を進める必要がある。ワクチン証明書が導入されれば未接種の人は就労などで不利益を被る恐れもあり、きめ細やかな支援が必要だ」

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