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震災慰霊碑も

馬場さんと明石を語る上で欠かせないエピソードの一つに、阪神大震災がある。
馬場さんが元子さんと出会った明石も、震災で26人が亡くなり、1万棟近くが全半壊した。被害を受けた明石の家の片付けとともに、ファンクラブの一人一人に連絡を取り、必要なものを聞き取って配布した。さらには義援金目的のプロレス興行を淡路島で開く。
還暦を前にした体にむち打ち、リング上でファンに支援を求めた。明石ロータリークラブを介し、98年4月に県立明石公園に犠牲者を悼む慰霊碑を建てた。
高さは馬場さんの身長と同じ2メートル9。除幕式では馬場さんがちびっ子らに囲まれ、慰霊碑と背比べして周囲を和ませた。会員の増岡義教さん(72)は「実直でありながら、ユニークな人だった。被災者に寄り添う姿が印象的でした」と目を細める。
馬場さんと明石を結んだのは、妻へのまっすぐな愛情だった。元子さんのめいの緒方理咲子さん(64)は言う。
「明石は夫婦のホームグラウンド。やっと2人でゆっくりできるね、と喜んでいるはず」