完了しました

和歌山市を流れる紀の川にかかる水道橋「
水道橋は1975年3月に完成。直径約90センチの水道管が2本通り、それぞれの水道管と橋のアーチ部分を多数の鉄製つり材がつなぐ構造になっている。
市が6日、橋をドローンで撮影して調べたところ、中央付近の崩落部分(約60メートル)の北側にあるつり材4本で、水道管から約3・5メートル上部に腐食と破断が見つかった。いずれも鳥のフンや雨水などがたまりやすい部分だという。市は崩落部分のつり材でも破断が生じ、水道管を支えきれなくなった可能性が高いとみている。

市は年に1度、水道管の目視点検を実施している。今年5月の点検では全体的に腐食が進んでいることを確認したが、緊急性はないと判断し、来年度に修繕に向けた予算を計上する予定だった。点検で破断は確認されなかったという。
2015年度に行った耐震化工事では、金具やワイヤで水道管を補強。つり材を補強する部品の一部も交換したが、つり材そのものは交換しなかった。
尾花市長は「腐食の原因が何であれ、老朽化だと思う。人の通る橋に比べて点検が甘かった」と説明した。今後も専門家を交えた調査を継続し、原因究明にあたる。
各地の水道橋を手がける水島鉄工(新潟県)の水島等・専務取締役は「強い雨風などで受けた小さな傷を見つけきれず腐食が進み、破断した可能性が考えられる。点検では漏水がないよう水道管ばかりに目がいきがちだが、橋全体に目を配ることが必要だ」と指摘する。