国負担のGoToキャンセル料、届かぬ取引先も…観光庁のチェック体制に不備

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 5日に公表された会計検査院の2020年度決算検査報告では、新型コロナウイルス対策を巡って、国側のずさんな対応やチェック体制の不備なども指摘された。中断された観光支援策「Go To トラベル」では、国が負担したキャンセル料の支払い状況が把握されず、持続化給付金では不正受給が相次いだ。検査院は改善を求めている。

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立場弱く

ホテル向けのコック用白衣を整えるリネン会社の従業員。観光低迷による打撃は大きい(5日、さいたま市大宮区の「ベネック」で)=三浦邦彦撮影
ホテル向けのコック用白衣を整えるリネン会社の従業員。観光低迷による打撃は大きい(5日、さいたま市大宮区の「ベネック」で)=三浦邦彦撮影

 「キャンセル料が入ってこず、泣き寝入りするしかない」。ホテルや旅館に寝具などをレンタルする中部地方のリネン業者は、こう訴える。

 昨年7月に始まったトラベル事業では、取引先のホテルや旅館の予約増加に合わせて、シーツやタオルなどを大量に用意した。コロナで落ち込んだ業績の回復を期待したが、感染拡大で事業が昨年11~12月に順次、中断されて貸出量が減り、大きな損失が出た。

 担当者は「ホテルや旅館に使ってもらう立場で、強く言えない」と肩を落とす。

 こうした事態が起きているのは、事業を担当する観光庁側がキャンセル料の支払いを適切に管理していないからだ。

 国は、事業の中断で生じたキャンセル料について、利用者に代わって 補填ほてん することを決定。今年2~7月、旅行代金の35~50%を旅行会社や宿泊施設などに支出した。総額は1157億円に上る。この際、影響を受けたリネン業者や食材の卸売業者などにも公平に配分するよう求め、旅行会社などと誓約書を交わした。

 しかし、検査院の調べでは、観光庁側は実際に配分されたかどうかを確認していなかった。配分しない旅行会社などの事業登録を取り消すとしていたが、調査実施の検討もしなかった。

 日本リネンサプライ協会(東京)には、加盟社から「ホテル側からキャンセル料の配分がない」「契約打ち切りが怖くて、聞けない」と不満の声が寄せられている。協会の山田修会長は「配分が受けられることを知らないリネン関係者も多く、国の周知が足りていない」と訴える。

 観光庁の担当者は「キャンセル料の迅速な支払いを優先していた。調査を準備している」と説明する。

下請け連鎖

 中小企業の資金繰り対策「持続化給付金」で、不備を指摘されたのが中小企業庁だ。

 今年2月までの給付額約5・5兆円のうち、不正受給は約5億9000万円に上り、うち約2億2000万円が未返還だった。

 また、給付の受け付けや審査などの業務は、受注した団体から広告大手の電通に下請け発注され、その後下請けが繰り返され、委託先は延べ約720事業者に膨らんだ。総額668億円の96%が再委託された一方で、再委託の必要性を検討した記録は残されていなかった。検査院は、中小企業庁による管理に不備があったと指摘。担当者は「指摘を 真摯しんし に受け止める。1月にルールを改めた」としている。

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