読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

中3刺殺、被害生徒の言動に「嫌な思い」…小学校ではともにサッカー部

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 愛知県弥富市の中学校で起きた刺殺事件から、1日で1週間。殺人容疑で送検された3年生の男子生徒(14)は、落ち着いた様子で取り調べに応じているという。被害生徒(14)については、言動に「嫌な思いを抱いていた」と供述。県警は学校生活でのトラブルも重なり、自暴自棄になったとみて動機の解明を進める。

学校側の対応などについて謝罪する弥富市教委関係者ら(11月29日)
学校側の対応などについて謝罪する弥富市教委関係者ら(11月29日)

 加害生徒は県警の調べに、昨年9月の生徒会役員選挙で被害生徒の応援演説を頼まれたことや、友人との会話に被害生徒が割り込んでくることを不快に感じていたと訴え、今年2月の校内アンケートには被害生徒からのいじめがあったと回答していた。ただ、捜査関係者は「暴力や脅迫はなく、明確ないじめとは捉えにくい」と話す。

 学校生活への不満も抱えていたとみられ、11月中旬の修学旅行では、持ち込み禁止のスマートフォンを見つかり、没収されていた。「日常生活で嫌なことが続き、うんざりしていた」とも話し、県警は事件の動機につながるとみて教師や生徒への聴取を進める方針だ。

 関係者によると、2人は同じ小学校に通い、当時はともにサッカー部で活動。ただし、性格は対照的だったようで、友人らが「活発でリーダーシップがある」と語る被害生徒に対し、加害生徒は祖父が「寡黙な子」と言うように、周囲も「目立たないタイプ」と話す。

 市教育委員会によると2人とは別の生徒が「被害生徒の(他人への)強い当たりが気になる」とアンケートに答えており、被害生徒が無意識にとった言動に、加害生徒がストレスをためていった可能性がある。

 加害生徒は事件2日前に刺し身包丁をインターネットで入手。24日朝、通学用バッグに隠して登校し、別の生徒に頼んで被害生徒を廊下に呼び出し、腹部を強く刺したとされる。

 県警は、事前に凶器を準備し、内臓を貫通するほど深い傷を負わせていることから強い殺意を持って、事件を計画したとみている。今後は、殺害の引き金になった出来事や、事件に到る加害生徒の心の動きなどを中心に調べが進められる。

市教委にいじめ疑い報告せず

 事件を巡り、学校側の危機意識の欠如も浮き彫りになった。いじめが疑われた場合、学校は市教育委員会に報告する必要があったが、アンケートでいじめ被害を訴えた加害生徒が、その後の聞き取りに「今は落ち着いていて大丈夫です」と答えたため、市教委と情報共有せず、3年生に進級する際にクラスを別にする以外の対応は取っていなかった。

 事件が起きた24日の記者会見では、市教委が2人の間のトラブルは把握していないと説明。校長も同席していたが、2年時の対応を「失念していた」という。原則3年間の保存が義務づけられている校内アンケートの一部を学校が紛失していたことも明らかになった。

 学校側は全校生徒にスクールカウンセラーの面談を受けさせ、30日から通常授業を再開。延期した期末テストも12月7、8日に行うことを決めた。ただ、不眠や注意力の欠如を訴える生徒もおり、3年生は全体の半数近い20人が継続的なカウンセリングが必要と判断された。

 少年犯罪に詳しい新潟青陵大の碓井真史教授(社会心理学)の話「生活の場が家庭と学校しかない子供は大人より息抜きが難しく、怒りが暴力の形で突然表れるケースも多い。つらいことや悲しいことが重なり、精神的に追い詰められた時に、教師らに気軽に相談できる雰囲気づくりが学校には求められる」

無断転載・複製を禁じます
スクラップは会員限定です

使い方
2561398 0 社会 2021/12/01 07:19:00 2021/12/01 07:19:00 2021/12/01 07:19:00 記者会見で謝罪する奥山巧教育長(一番手前)(29日午後4時2分、弥富市で)=沢村宜樹撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/12/20211201-OYT1I50005-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)