忘年会シーズンなのに…自粛ムードで居酒屋は閑古鳥「歓送迎会もどうなることか」

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 師走に入って忘年会シーズンを迎えたのに、飲食店のにぎわいは今ひとつ。新型コロナウイルスの感染状況は落ち着きを見せているが、外での飲酒を巡って世間に自粛ムードが漂っているからだ。忘年会の費用を補助する自治体や、オンライン忘年会を企画する店が現れるなど、苦しい局面を乗り越えようと各地で必死の奮闘が続く。(高田悠介、長嶋徳哉)

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予約ガラガラ

忘年会シーズンを迎えても客足が戻らない居酒屋「久、 亀戸店」。グルメサイトでも予約が入らないままだ(11月30日午後7時2分、東京都江東区で)=須藤菜々子撮影
忘年会シーズンを迎えても客足が戻らない居酒屋「久、 亀戸店」。グルメサイトでも予約が入らないままだ(11月30日午後7時2分、東京都江東区で)=須藤菜々子撮影

 東京の下町・江東区の居酒屋「 久、きゅうてん 亀戸店」には30人ほどが座れる大広間がある。テーブルに間仕切りを置くなど感染防止策を徹底しているが、10月に緊急事態宣言が明けた後も閑古鳥が鳴いている。コロナ禍前のこの時期は、地元のサラリーマンたちが連日、どんちゃん騒ぎをしていたが、今年の忘年会の予約はまだ4件。店長の都築勇也さん(41)は「テレビでは新宿や新橋などの繁華街がにぎわっているように見えるが、小さい街はまだまだ」と嘆く。

 都築さんによると、場の雰囲気が盛り上がり酒の注文が増える大人数の忘年会が少ないと店の経営は苦しい。「このままでは1月の新年会、春の歓送迎会のシーズンもどうなることやら……」と気をもむ。

企業の7割「見送り」

 東京商工リサーチが10月1~11日、全国約8000社を対象に行ったアンケートでは、緊急事態宣言などの発出にかかわらず「忘年会、新年会を開催しない」と答えた企業が70・4%に上った。昨年12月の調査(94・2%)よりは下がったが、自粛ムードは依然として根強い。

 街を行き交う働く人たちに話を聞くと、やはり慎重な意見が多い。

 川崎市の40歳代男性によると、勤務先の人材派遣会社は毎年、100人規模の忘年会を企画していたが、コロナ禍で2年連続で中止に。「酒好きが多い会社だけど、新しい変異株も出てきているので仕方ない」とあきらめ顔だ。自身も外での飲酒は週1回に控えているという。「大勢だと気を使う相手も多いから、もう忘年会はなくてもいいのでは」と話す30歳代の男性銀行員もいた。

自治体が支援

 こんな状況を打開しようと、各地の自治体や飲食店は様々な知恵を絞る。新潟県見附市は、10人以上の団体客が市内の飲食店に会費5000円以上の忘・新年会を予約すると、市が総額の2割(上限5万円)を負担している。市は「酒の卸売店やタクシーなど周辺の業種にも経済効果が波及してくれれば」と期待をかける。山形県天童市も今月1日、市内の飲食店を利用した客に対し、1人当たり最大3000円の助成を始めた。

 東京都豊島区のレストラン「サンシャインクルーズ・クルーズ」は、利用客がオンラインで忘・新年会を行えるよう、料理やお酒を自宅に配達するサービスを提供している。すでに30組1000人の予約が入ったといい、店舗での予約数を上回った。担当者は「コロナ禍が長引く中、お客様のニーズにどう応えるか、模索を続けるしかない」と話した。

職場飲み会「不要」6割

 コロナ禍を機に、飲み会への意識も変わりつつある。

 日本生命保険が10月1~13日、インターネットで男女計7774人を対象にアンケートを行ったところ、お酒を酌み交わしながら職場の上司や同僚と親睦を図る「飲みニケーション」について、「不要」と回答した人が62%に上り、2017年の調査開始以来初めて「必要」(38%)を上回った。

 明治大の堀田秀吾教授(コミュニケーション論)によると、以前から職場の飲み会を「仕事の延長」ととらえ、参加を避ける人は多かったという。堀田教授は「コロナ禍で飲酒の機会が制限されても、仕事を進めるのにさほど支障がないことがわかり、飲みニケーションを敬遠する風潮が加速したのではないか」と分析する。

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