飛んできた石で窓ガラス割れただけでも…レンタカー事故、過失1割でも要求される「全額補償」

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 レンタカーでの事故時、過失が小さくてもレンタカー会社に休業補償を支払わなければならないのか――。レンタカー各社は、利用者との契約に基づき、ほぼ無過失でも全額の補償を求めており、トラブルが相次いでいる。中には、全く過失がないのに請求され、利用者が裁判を起こしたケースも。契約内容の見直しを検討するレンタカー会社も出てきている。(栢野ななせ)

標準約款で規定

 レンタカーの利用者が事故時に支払う休業補償は、レンタカー会社との契約時に取り決められる。全国レンタカー協会(東京)の標準約款では、レンタカーが走れなくなった場合、無過失のケースを除き、請求すると規定。各レンタカー会社はこれを参考に、一律で5万~10万円としている。

 複数のレンタカー会社によると、大手の多くは標準約款通り、無過失だと請求していない。ただし、1割でも過失があれば、全額補償を求めているという。

 あるレンタカー大手によると、仮に1台が事故の修理で1か月走れなくなった場合、コンパクトカーで10万円程度、高級車なら数十万円の売り上げ減になるという。担当者は「5万~10万円の補償は妥当。利用者の過失が小さいからといって、事故相手に支払いを求めるのは、手続きに膨大な時間がかかり、現実的に難しい」と話す。

見直し検討

 だが、利用者の不信感は根強い。

 国民生活センターによると、休業補償関連の相談は年40~60件寄せられる。「飛んできた石で窓ガラスが割れ、過失がないのに請求された」「車が少しこすっただけで全額支払わされた」などで、担当者は「利用者が疑問に感じるのは当然だ」と話す。

 松山地裁では、追突事故に遭い、無過失なのに10万円を請求された大阪市内の男性が、事故相手に支払いを求める訴訟を起こし、係争中だ。

 男性側は訴訟で、休業補償は交通事故が原因で生じた損害だとし、「加害者が賠償しないのは不合理」と主張。相手方は、休業補償の契約自体が不適当なもので、男性にも債務はないとし、「事故相手に賠償義務はない」と反論している。

 全国レンタカー協会によると、休業補償に関する利用者とのトラブルが多く、見直しを検討する会社もあるという。

 交通事故訴訟に詳しい駒沢大法科大学院の青野博之教授は「レンタカー会社が事故ごとに休業補償の額を算出すると、費用と手間が膨大になり、一律の金額を決めておくのは合理的」と現在の仕組みに理解を示す一方、「レンタカー契約には、消費者(利用者)の知識・経験に応じた情報提供を事業者に求める消費者契約法が適用される。レンタカー会社は利用者により丁寧に説明する必要がある」と指摘する。

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