「ひま部」「斉藤さん」など…子どもが性犯罪に巻き込まれる契機、通話アプリが次々と誕生

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 新潟県内でSNSをきっかけに犯罪に巻き込まれたり、いじめの被害に遭ったりする子供が後を絶たない。県警によると、SNSをきっかけに犯罪に遭った小学生は今年5人(10月末時点)に上る。現在の形で統計を取り始めた2014年以降最多で、被害の低年齢化がみられる。県教育委員会は最新の被害・摘発事例を把握して対策に役立てようと、県警に教職員への講習を初めて依頼し、連携して対応にあたっている。

摘発事例を紹介

 「たった一つの投稿で、その後の人生が大きく変わってしまうこともあります」

教職員らにネットいじめの摘発事例について説明する警察官(11月29日、新潟市中央区の新潟高校で)
教職員らにネットいじめの摘発事例について説明する警察官(11月29日、新潟市中央区の新潟高校で)

 新潟市中央区の県立新潟高校で11月29日、教職員約45人を対象に開かれたネットトラブル講習会。教職員が、県警捜査1課や少年課の現役警察官の話に真剣な表情で耳を傾けた。

 警察官は、「ひま部」「斉藤さん」など、子供が性犯罪などの事件に巻き込まれるきっかけとなった通話アプリが次々と生まれていることや、「ネットいじめ」で摘発に至った県内の事例を紹介。警察官は「今の時代はどんな子供もネットをきっかけに被害に遭う恐れがあるという危機感を持ち、見守ってください」と呼びかけた。

 須貝哲二教諭は「警察官から直接話を聞く機会は初めて。真に迫って感じられた。しっかり対策しなければ」と話し、県教委の石黒浩司・生徒指導課長は「摘発の現場を深く知る県警の皆さんにしかできない話もあり、多面的に子供たちを守れるようになる。来年度も企画したい」と語った。

ネットいじめ深刻

 SNSをきっかけに犯罪に巻き込まれる18歳未満の子供たちは増加傾向にある。

 県警少年課によると、昨年は40人で14年以降最多だった。今年は10月末までで前年同期比4人減の26人だが、小学生は5人(前年は通年で1人)と、低年齢化の傾向がみられる。同課は「小学生にもスマートフォンが普及している時代。SNSは『危険だからやるな』は通用しない。正しい使い方を指導していく必要がある」としている。

 被害は、裸の画像を送信するなど児童ポルノが12人(前年同期比5人増)、強制わいせつなどの重要犯罪が6人(同2人増)などで、「子供の好奇心につけ込まれ、重大な犯罪に巻き込まれるケースもある」(県警捜査1課)という。

 ネットいじめも深刻だ。新潟市の県立高校では18年1月、女子生徒が男子生徒の顔に物を投げつける動画を別の女子生徒が撮影し、SNSに投稿。動画はネットで拡散され、県警は物を投げつけた女子生徒を暴行、動画を投稿した女子生徒を名誉 毀損きそん の疑いで書類送検した。同6月には下越地方の県立高校の男子生徒(当時17歳)が自殺し、第三者委員会は同級生らにSNSで中傷されるなどした10件の行為をいじめと認定、自殺の一因となったとした。

 県教委の調査によると、県立学校で今年4~11月末に認知したネットいじめは102件で、前年同期比24件増えた。学校が配ったタブレット端末を使ったいじめも4~10月末、小学校で10件、中学校で4件あった。県教委生徒指導課はネットの特性上、「数字に表れていないケースも多いのでは」とみている。

「より深い現状理解に」

 県警少年課は「学校だけでは対処が難しい場合もある。警察が教職員への啓発などで学校と連携し、いじめを含めたネットトラブルの解消に努めていきたい」としている。

 山形大の加納寛子准教授(情報教育学)は「最新の摘発事例を把握している県警が県教委などと連携することで、より深い現状理解につながる」と指摘。「子供たちを守るために、教職員の情報リテラシー(読み解く能力)に対する教養を早急に深める必要がある。より多くの機関が啓発に関わっていくべきだ」としている。

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