送還拒否の外国人、3割に犯罪歴…難民認定申請悪用も

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 不法滞在などで強制送還対象となった外国人のうち、帰国を拒む「送還忌避者」が3103人に上り、3割にあたる994人が有罪判決を受けていたことがわかった。出入国在留管理庁が21日、公表した。同庁は、日本で罪を犯しても難民認定申請の手続き中は国外退去させられない点など、現在の法制度には問題があるとしており、来年の通常国会に出入国管理・難民認定法改正案を提出する方針だ。

 同庁によると、年平均約1万7000人の外国人が入管当局に不法滞在などで摘発され、その大半は行政手続きである退去処分に従って出国している。

 しかし、昨年12月末時点の速報値で3103人が帰国を拒み、このうち994人が有罪判決を受けて確定していた。罪種別(未遂を含む)では、複数の罪に問われた場合も含めると、薬物関係が630件と最も多く、性犯罪(34件)や殺人(7件)もあった。

 994人のうち、4割超の466人は難民認定申請の手続き中で、入管当局は申請が「送還逃れ」に使われるケースもあるとみる。

 こうした状況も踏まえ、政府は今年の通常国会で改正案の成立を目指したが、3月に名古屋出入国在留管理局で収容中のスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が死亡した問題を巡って審議が紛糾し、断念していた。

 また、同庁はこの日、ウィシュマさんの問題を受けた再発防止策の 進捗しんちょく 状況も公表した。職員に対する監察を担う「出入国在留監査指導室」(仮称)を来年4月に設置する方針を正式に発表。新たに情報提供窓口も設け、収容者側の苦情や意見を指導室が調査し、必要な指導を行う。同庁は救急対応マニュアルや体調不良者の仮放免をより柔軟に判断する運用指針を策定するなど、さらに再発防止の取り組みを進めるとしている。

 一方、ウィシュマさんの遺族代理人の指宿昭一弁護士らも21日、都内で記者会見し、同庁の発表を「外国人の犯罪歴を強調し、入管法の改正を正当化しようとするやり方に疑問を感じる。外国人への偏見や差別をあおる非常に不適切な発表内容だ」と批判した。

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