リテラシー教育進まず、子供に誤情報の「免疫」必要…[虚実のはざま]第5部「解」を探る<5>

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 情報源を尋ねたが、生徒は動画共有アプリの「TikTok(ティックトック)」と答えるだけで、誰の投稿なのかも覚えていなかった。男性教諭は「報道機関のニュースと、SNSのうわさとの違いが分かっていないようだ」と話す。

偽情報や差別あおるサイトにネット広告、自動表示避けるため「排除リスト」…まとめサイトも

先行く米

 強い危機感を背景に、先に動き出しているのは米国の教育現場だ。非営利団体が教材を提供し、学校で取り入れられ始めている。

 ジャーナリストらでつくる「ニュース・リテラシー・プロジェクト(NLP)」は、講師を学校に派遣して真偽の見極め方を教えるほか、オンラインで教材を公開し、教員が学べるようにしている。

 2016年の米大統領選で偽情報の拡散が問題になったこともあり、ワシントン州では17年、学校でのリテラシー教育を推進する州法が成立した。イリノイ州では22年から公立高校で義務化される。

 法政大の坂本 じゅん 教授(情報教育論)は以前から、日本での導入を訴えてきた。

 学生が具体的なチェックリストに基づき、情報を検証する実践的な授業を続けており、低年齢からの教育の必要性を感じていた。

 デマや陰謀論を信じてしまう原因は単純ではない。

 人間の脳には、自分の意見や願望に合致する情報を集めてしまう「確証バイアス」がある。いつの間にか偏った情報に囲まれてしまうSNS特有の仕組みなども、複雑に絡む。

 だが、こうした知識を体系的に教えるには日本の実情に応じた教材の開発が必要になり、教員の育成にも時間がかかる。

 坂本教授は警鐘を鳴らす。「今のままでは、子どもは無防備な状態に置かれ続ける。実効性あるリテラシー教育の導入に向け、国が議論を始めるべきだ」

 誤った情報から身を守る「免疫」を、どうやって付けていくか。教育現場にも備えが求められている。

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