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尖閣諸島(沖縄県石垣市)に中国軍の艦艇が接近し、海上保安庁の巡視船では対応が困難になった事態を想定し、政府が海上自衛隊に海上警備行動を発令して、護衛艦に対処させる訓練を実施したことが、政府関係者への取材でわかった。中国軍艦を想定した合同訓練は異例だ。

複数の政府関係者によると、訓練には海自の護衛艦のほか、尖閣諸島の警備を担当する海保の大型巡視船などが参加し、22日、東京都・伊豆諸島の周辺海域で行われた。
伊豆諸島内の特定の島を尖閣諸島に見立て、海自が同島に向けて航行する中国軍艦を発見。連絡を受けた巡視船が中国軍艦に進路の変更を求めたが、そのまま進んだため、海上警備行動が発令され、護衛艦が島への接近を阻止する――との想定で、一連の手順を確認した。
尖閣諸島の周辺海域では中国船の動きが活発化しており、訓練は不測の事態に備え、海自と海保の連携を強化する狙いがあるとみられる。
海上警備行動は、海保だけでは対応できない事態が起きたとき、防衛相が首相の承認を得て自衛隊に出す。自衛隊は一定の基準の下で武器の使用が可能になる。2004年に中国の原子力潜水艦が沖縄県の宮古列島周辺の領海に侵入した事件などで発令された。