脳死した息子の移植肺、強調して無断放映された無念…TBSなど訴えた母親「どうしても許せず」

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 脳死した男児(当時1歳)の肺移植手術の際、クーラーボックスから取り出された肺が強調して映し出され、精神的苦痛を受けたとして、広島県内の両親がTBSテレビなどに計1500万円の損害賠償を求めた訴訟を巡り、母親が取材に応じた。1審・地裁判決で請求は棄却されたが、高裁で控訴審を係争中。母親は「息子を亡くした悲しみに向き合えていない中、放送された怒りは収まらない。主張に耳を傾けてほしい」と訴えている。(岡田優香)

広島地方裁判所
広島地方裁判所

 「不妊治療の末に生まれてくれた、待望の子でした」。母親は男児を授かった時、夫と喜び、ベビー服やおもちゃを買いそろえたという。

 2016年2月に無事出産。直後、体力が落ちていたが、わが子をこの目で確かめたくて、息子が寝入る保育器に足を運んだ。「かわいい。やっと出会えたね」。男児は家族からかわいがられ健やかに育っていった。

     ◇

 しかし、1歳2か月だった17年4月の深夜、男児の体調が急に悪くなり、心肺停止状態に。救急搬送され、手術で一命は取り留めたが、息子は自発呼吸が出来ず、腎臓機能も止まった。

 医師からは「いつ亡くなるか分からない」と告げられた。介護福祉士の母親は、自身の持つ医療知識で、回復が難しいことを悟った。悲しみに押しつぶされそうになりながら帰宅したある日の夜、息子の夢を見た。

 「脳は病気で侵されていても、体は元気だよ」。呼び掛けに応じない息子が、訴えてきたように感じた。体の一部でも誰かの元で生きてくれたら。息子をこの世に残したい思いが湧き起こり、臓器移植にわずかな希望を託した。

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