排煙設備なく・階段1か所だけ…大阪の放火ビルは「既存不適格」

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窓の上部にあり、ハンドルを回して開閉する排煙窓(兵庫県宝塚市役所で)
窓の上部にあり、ハンドルを回して開閉する排煙窓(兵庫県宝塚市役所で)

 大阪・北新地の放火殺人事件で患者やスタッフら計25人が犠牲となった雑居ビルは、2019年の大阪市消防局の定期検査では設備面での法令違反がなかった建物だった。なぜ被害を軽減することができなかったのか。専門家は「建物に明確な法令上の問題がなくても、安全とは言い切れない」として、既存不適格の建物の改修を急ぐべきだと指摘する。(大森篤志、長尾尚実)

法令上問題なし

 事件の現場となったクリニックは、1970年に建築された8階建ての「堂島北ビル」の4階にある。ビルは火災報知機や消火器、誘導灯などの設備を備えており、現行の消防法令に照らして問題はなかった。

 一方、現在の建築基準法施行令では、▽3階建て以上で延べ面積500平方メートル以上であれば排煙設備を設置▽6階建て以上の建物には地上につながる階段を2か所以上設ける――などが義務づけられている。

 堂島北ビルは排煙設備がなく階段も1か所しかないが、この二つの規定はそれぞれ71年と74年に設けられたため、その前に建てられた同ビルには適用されず、大阪市は既存不適格としている。

「窓」で被害軽減

 大阪府警によると、室内の入り口付近以外には窓がなく、死亡した25人は一酸化炭素中毒で、入院中の被害者1人も重篤な状態だ。神戸大都市安全研究センターの北後明彦教授(防火・避難計画)は「排煙窓があれば被害を抑制できた可能性がある」と指摘する。

 排煙窓は部屋の高所に取り付け、ボタンを押したりハンドルを回したりして開け、煙を屋外に排出する。

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